アプフェルクーヘン

山小屋のようなパン屋さん、
那須のクローチェで
美味しそうな焼き菓子を見つけた。
茶褐色の色合いから
アップルパイかなと思ったら、
アップルクーヘンと教えられた。

家のトースターで加熱して
香ばしく焼けたアップルクーヘン。
平らな長方形にフォークを刺し、
食べれば中にりんごのスライスが。
風味と食感が経験のないもので、
コーヒーにもまったりと合った。

クーヘンとは焼きケーキ菓子のことで
生地にフルーツなどを練り込む。
ドイツではトルテというケーキもあり、
こちらは生菓子でフルーツなどを飾る。
バウムクーヘンは木の焼き菓子となり、
アップルクーヘンはリンゴの焼き菓子。

クーヘンがドイツ語なのだから、
アップルもアプフェルと呼びたい。
アプフェルクーヘンとなれば、
ドイツ人の秋の暮らしが思い浮かぶ。
若い頃、フランクフルトの家の
クリスマスパーティに呼ばれたことがある。

そのときのクリスマスケーキが
アプフェルクーヘンだったと
今になってはっと思い出すのだ。
クリスマスツリーの周りにたくさんの
包装紙に包まれた贈り物があった。
素朴で美しいクリスマスパーティと
家の味がするアプフェルクーヘンだった。