笑う満月

大きくて真っ黄色な
満月がいきなりあった。
明け方の西の空、
地面に落ちそうに低い。

大きな満月がボクを見て
笑っているようだ。
ピースマークの
バッジのような満月。

年の暮れも押し迫った
薄暗い早朝の満月。
ボクを見下ろして
何を笑っているのだろう。

お前の1年はどうだった?
つまらん1年だったか?
人間なんてどうせそんなもの、
生きること自体が無駄なのだ。

満月よ、あざ笑うがいい。
大した1年ではなかったけど、
それでも楽しい1年だった。
幸せな1年だったんだから。