「背筋を正す」なんて

「背筋を正す」などと言うが、

脊椎管が潰れた僕には難しい。

「背筋を伸ばす」ことができないから

「背筋を正す」ことなどできない。

真っ当な人間になることは叶わないのだ。


しかしそれはそれでよいではないか。

「正す」ことができないのだから、

もはや堅苦しいことなど何もない。

だらしなくいい加減に生きたらいい。

愉しく自由に暮らしたらいいのだ。


鬱々濁濁と生きていかなければ

姿や格好など一切気にせずに

明るく大らかに生きればいい。

誰が何を言おうと知らん顔してればいい。

もはやまともにはいかないのだから。


いつでも楽にしていればいい。

あくせく忙しくすることなどない。

迅速に行うことなどできないのだから。

ゆっくりのんびり穏やかに

自分のペースでやればよいのだ。