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【ネタバレ注意!】ブラジャーは誰のもの?【天気の子】

以下の文章はネタバレを含みますので読む際はご注意ください、

数週間前から公開されてる新海誠監督の「天気の子」をついに観てきました。

僕は少々天邪鬼なところがあるせいか、前回の「君の名は」は公開前から目をつけていたのに、今作は爆発的に売れたので最初からやたらと注目度が高く観にいくのがこんなに遅れてしまいました……笑

まあでももっと早く観ておいても良かったなと思えるいい話でしたので、今回は僕が特別気になったこと、特に

須賀家の2人にこそ、この物語のテーマが隠されている

と思う理由についてレビューしましたので、どうぞご覧ください。

追われる帆高と保身のため説得する須賀さん

未成年で家出していた上に拳銃を所持・発砲した容疑で一度は署まで連行される主人公・帆高。空の世界に消えてしまった陽菜を探しに代々木の廃ビル屋上まで走ります。

帆高が家出していた間に世話になっていたK&Aプランニングこと、須賀圭介さんにも誘拐の嫌疑がかけられ、このままだと最愛の娘と同居できなくなる危機に。

帆高を先回りして廃ビル待ち伏せしていた須賀さんは「一緒に出頭しよう」と申し出ます。

帆高は放置していた拳銃で再度発砲するなどして抵抗しますが、そこに警察官達が到着。

廃ビルは少し崩壊しており、非常階段を使わねば屋上にはたどり着けない。

帆高はまさに絶体絶命です!

「俺はただもう一度あの人に会いたいんだ!」(イメージ)

威嚇射撃に驚く須賀さんと警官達に帆高は如何にもガキっぽく言い放ちます。

帆高は拳銃を投げ捨てて逃げようとするも警官達が取り押さえますが、ここで須賀さんが覚醒!

須賀さんは警官達に体当たりして帆高を逃がすのです!

なぜ須賀さんはギリギリで警官を裏切ったのか?

須賀さんは娘の親権を死んだ妻の親と争ってる最中のはずです。

今問題を起こせば交渉が不利になり、娘とは暮らせなくなるのは間違いありません。

ところが須賀さんは帆高を取り押さえる警官に体当たりしてしまいました。

公務執行妨害は避けられず、娘との同居は絶望的になるでしょう。(実際同居には失敗したらしい)

では、須賀さんにとって帆高と陽菜が娘よりも大切になったのでしょうか?

実は僕、この問いに対しては「NO」だと思っています。

なぜなら次のことが言えるからです。

須賀さんは最初から娘と同居できなかった

思い返してみてください。
須賀さんは娘との同居を目指しながら、どんな努力を重ねていたでしょうか?

義母の信頼は得られず、禁酒禁煙には失敗し、晴れの日に面会した際も娘の喘息の発作が起きてしまいました。

さらに姪の夏子が「圭介は一途」と発言していたことや、事あるごとに指輪に触れる動作から

彼はまだ妻を愛している

と思い込んでいますよね?

でもでも!
物語序盤、帆高が事務所の雑用をしていた時のことを覚えていますか?

そう、「持ち主不明のブラジャー」が見つかっています。確実に夏子のものではない下着。
あのブラジャーは一体誰のものなんでしょうか?

もしかして、須賀さんは妻に一途ですらなかったのでは……?

もちろん死んだ妻のものである可能性もありますが、本当はどうであったかは物語を通してもわかりません。

それは置いておくとして、

果たして彼はこの状態から娘との同居にこじつけられたでしょうか?

酒に溺れ、禁煙に失敗し、娘に喘息の発作を出させ、義母の信頼を失った須賀さん。

僕は「同居できなかった」と思います。

帆高への援助は「同情」+「責任転嫁」である

須賀さんは、娘ほどとは言わずとも、帆高のことは大切に思っていました。

しかも「陽菜に会いたい」と叫ぶ帆高は、妻と娘を恋しく思う自分に重なるところもあります。

須賀さんは帆高に同情していました。

さらに自分を抑えていた「帆高を助けると娘と暮らせないかも」というストッパーは
「そもそも娘とは暮らせない」ことを踏まえればストッパーの役割を果たさなくなります。

その上
「帆高を助けることは、娘と暮らせなくなる理由となりうる」
ことが言えます。(少しゲスな考えかも)

須賀さんは帆高に娘との同居失敗の責任を押し付けたと言えるのではないでしょうか?

帆高を助け、責任転嫁する事で、自分を納得させようとしたのです。

三年後の須賀さんの言葉は……

陽菜を連れ帰って三年後、再び上京した帆高が新K&Aプランニングを訪ねました。

3年間降り続けた雨で完全に海に沈んだ東京。
警官にしょっぴかれて、娘との同居に失敗した須賀さん。
おそらく就活に失敗したであろう夏子。

そういった事柄に対し、陽菜を助けた帆高は自分に責任を感じていたのです。

そんな帆高に須賀さんはあるアドバイスをします。

「最初からそうだったんだから気にすんな」(イメージ)

東京は元々海に沈んでいたはずとされています。
須賀さんはどうせ娘との同居なんて無理だったでしょう。
夏子は就活に成功している描写は一ミリもありませんでした(笑)

帆高が何をしたところで、それは元の状態と同じことなのです。

そしてそれは須賀さんにもわかっていました。
だからこそ言えたアドバイス。

このセリフこそ、物語の真のテーマだったんじゃないかと僕は思います。

最後に

いかがでしたか?

結構捻くれた考察だと自覚していますが、個人的にはまあまあ筋が通っていると思っています 笑

帆高も帆高なりに、「世界の形を変えてしまったけどそれでいいんだ!(イメージ)」
みたいに納得してましたけど、あえて言わせてください。

大好きな女の子のためなら東京が沈んでも構わないに決まってるだろ!」

帆高はどこにでもいる自己中なガキです。

娘との同居との葛藤に苦しんだ須賀さんこそ、この物語のキーパーソンだと言えるんじゃないでしょうか?

帆高に嫉妬してるだけだって? うるせぇ!!

レンタル開始されたらまた観てみようと思います。

あーあ、僕の前にも、水商売に落ちかけてる困った女の子がいれば、チンピラに殴られようが晴れの日が二度と来なかろうが絶対助けてやるのになぁー!!
。・゜・(ノД`)・゜・。

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