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どの花のハチミツが好き?(1つの花のハチミツになる理由)

 どのハチミツが好きですか?

 この質問にはたいてい、「アカシア」「レンゲ」「みかん」「リンゴ」など花の名前で回答が返ってきて、「銀座のはちみつ」とか「サクラ印」のなど商品名で回答が返ってくることはあまりありません。ハチミツの味は、どの花から集められたかが味の決め手になっていると言うことです。

 ちなみに私はキハダ(北海道ではシコロと言います。)のハチミツが好きです。キハダは、ミカン科の植物で柑橘系のさわやかな香りがあり、すぐ結晶化してしまうのがこのハチミツの特徴です。結晶と言ってもガチガチになるのではなく粒子が細かくてクリーミーなので、ジャムのように使うことができます。またハチミツ全般に言えますが、結晶化したハチミツの方がより香りがハッキリとわかります。これは、結晶化することで結晶しきれていない部分の糖度が下がり、甘味が強いと香りに鈍くなる人の特性から香りがよりハッキリと分かるようになるのか、またもしくは、結晶化していない部分の香り成分の割合が相対的に高くなることでより香りがハッキリと分かるようになるのかのどちらかではないかと思っています。(したがって、結晶化した状態が好みであれば、わざわざ結晶を溶かす必要はありません。)

 話がそれましたが、そこで、疑問になるのはいろんな花が咲いているのに何故「~の花の蜜」と言う蜜が採れるのか?と言うことです。

 まず、養蜂家の仕事としては、例えば桜の蜜が採りたいと思ったら、桜が咲く前に巣に残っている蜜を絞ります(これを掃除蜜と言います)。そして、桜が終わる頃に貯まった蜜を絞ることで他の花の蜜が混ざらないようにします。

 そして、ミツバチの習性です。ミツバチは、太陽が昇ると探索バチが飛び立ち、より良い蜜源(花が咲いている場所)を探しに飛んでいきます。そして、見付けた蜜源の場所を8の字に歩きながらお尻を振って仲間に伝えます。このときの歩く角度が垂直からどれくらい傾いているかで太陽からどれくらい傾いた方向にあるか、また尻を振る速さが巣箱からの距離を示しています。また、持ち帰った花の蜜でどの花かを伝えるのです。この習性により同じ蜜が大量に集められるのですが、限界があります。以下の観点から別の花の蜜も混ざります。

・有力な蜜源が他にある。(例えば、桜の時期は、菜の花の時期と重なる為、蜜が混ざりがちです。)

・花が蜜を出す時間帯は、花ごとにそれぞれです。大量に蜜を出す花でも時間帯によっては蜜が出ず、蜜蜂は違う花の蜜を集めようとします。

・教わった場所に採りにいかない蜂が一定数いる。(どこにでも言うことを聞かない奴がいると言うことです。西洋ミツバチより、日本ミツバチの方が言うことを聞かない蜂の割合が高いそうです。)

 と言うことで、純粋100%同じ蜜と言うのは難しいので7割くらい集まってたらその花の蜜と名乗ってよいとしているそうです。例えば、アカシアのハチミツは本来かなり色が薄い黄色ですが、製品によって他の花の蜜が混ざって黄色が濃くなったり、赤みがかったりしています。これは、少々他の蜜が混ざってしまうのは仕方がないと言う事情によるのであって、偽物と言うのとはまた違います。

読んだ感想などコメントを書いて頂けたら、はげみになります。 ハチミツは、お仕事依頼の記事にネットオーダーのページへのリンクがあります。購入希望の方はそちらからお願い致します。