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フェミニズムってなに?おすすめ本・マンガ

「フェミニズムとは、性に基づく差別や搾取や抑圧をなくす運動のこと」

ベル・フックス
『フェミニズムはみんなのもの』


フェミニズムは、性別による給与格差やハラスメント、性暴力といった問題に光を当て、解決に向けて行動するものです。

性差別が深刻な日本では、「逆差別では?」「女性優遇ではないか」といった声がありますが、それは誤りです。

▼詳しくは、以下の投稿をご覧ください。


本記事では、フェミニズムを学べるおすすめの本・マンガをご紹介します。


はじめて編

『さよならミニスカート』牧野 あおい

「このマンガに無関心な女の子はいても、無関係な女の子はいない」
そんなコピーに惹かれて、本屋で手に取りました。コピーどおり、日本の女子・女性が抱える違和感を描いており、とても読みごたえがあります。

アイドルやファッション、痴漢をはじめとする性犯罪など、日本社会のさまざまな要素がからまっており、心にひっかかる場面の連続でした。

性差別に苦しんでいるのは女子だけではなく、男子もそうです。性加害に遭った妹がいる男の子の内面も描かれています。

アイドルと一般の女子高生という2つのストーリーと衝撃の展開に圧倒されました。

作者は過去作でも少年少女のままならさや苦しみを描いてきましたが、本作でさらに洗練されている感じがしました。日本の性差別をこれほど鋭く分かりやすく描いたマンガは初めてです。少女マンガの概念が変わるすごい作品に仕上がっています。


『わたしたちは無痛恋愛がしたい ~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん~』瀧波ユカリ

▼Webマガジン『&Sofa(アンドソファ)』で連載中!

性差別・格差にまつわるモヤモヤをポップに描いた傑作です。『このマンガがすごい!2023』オンナ編第10位にランクインしました!

毎回、心に刺さる名言が連発します。

「『女の敵は女』って言われすぎ問題」
「いじめられながら子ども育てて そのうえ夫育てまで(略)背負う必要なんてない」
「自分らしく生きたい女ほどクズに引っかかるの法則」

登場人物たちの日常に「あるある」と共感し、語られる言葉に「よく言ってくれた!」と勇気づけられます。

とくに、暴力が進む過程と「ハラスメントあるある」が興味深かったです。世の中には、見えにくくされている暴力がこれだけあふれているのだと感じました。DV・いじめにも通じるお話です。

本作では、非公開アカウントでつぶやく“鍵垢女子”の主人公をはじめ、恋する女子からはキラキラ見えても内面はクズな”星屑男子”、性差別に適切に対応する“フェミおじさん”など、さまざまな登場人物の視点でストーリーが展開されます。自分とは違う感覚を知ることができて、勉強になりました。


『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』上野千鶴子、田房永子

フェミニズムの大家・上野千鶴子さんとジェンダー&家族問題を描く漫画家・田房永子さんの対談本です。

随所に田房永子さんのイラストやミニ漫画が折り込まれていて、読みやすいです。
「結婚、子育てナメんなよ」という上野千鶴子さんのメッセージが響きました(笑)。

ふうふ関係について、「お互いにぶつかりながら成長していく姿を、子どもたちに見せるのが大事」とお話されていたのがすばらしかったです!

「この人はもうしょうがない」と相手を見限ったり、「お父さんみたいになるな」と子どもに反面教師にさせたりせずに、関わり合う大切さを学べました。


『ぜんぶ運命だったんかいーーおじさん社会と女子の一生』笛美

SNSで女性のモヤモヤを発信する著者が、自身の20代~30代前半を綴った社会派エッセイです。

広告代理店のお仕事や恋愛・婚活で悩む心情が胸に迫ります。ひとりの女性の葛藤とともに、日本社会にはびこるジェンダー格差が伝わってきました。

とくに印象深かったのが、次の言葉です。

「男の人に口説いてもらうためには、彼らと対等のポジションにいてはだめで、むしろ自分が下だとアピールしなきゃいけない気がしました。
まるで交尾の合図をするメスみたいに、
『ほら!私はあなたより下のポジションにいるよ。今がチャンスだよ。早く私の上に乗ってごらん!』」

男女の恋愛の一端を鮮烈に表したフレーズだと感じました。読後までイメージが残る、すごい表現力です。人によっては抵抗感を覚えるところもあるかもしれませんが、ひとりの女性の体験と思いがひしひしと伝わってきます。

後半では、フェミニズム(女性差別を解消する運動)を知り、現在の活動に至るまでの過程も綴られています。普段の会話やテレビ番組など、日常にはびこる性差別に悩む姿に共感しました。

本書を読んで、「仕事や私生活で感じていた自分のモヤモヤは、社会構造によって作られている」と気づかされました。「仕事や家庭、恋愛などで感じるこのモヤモヤは何?」と感じている方にオススメです!


性を考える編

『これからの男の子たちへ』 太田啓子

2人の息子を育てる弁護士が、自身の仕事・私生活での経験から男の子の育て方について述べています。 性別に関するモヤモヤを見事に言語化した傑作です。

男ってバカだよね問題」 「しずかちゃんの入浴シーンは『ほほえましい』か?」 など、目次のトピックから引き込まれました。

とくに、「セックスは権利でも義務でも通過儀礼でもない」という言葉が新鮮でした。日本は異性愛男性の性欲を発散させるための文化が異常に浸透していますが、そもそもセックスは双方の気持ちがあって成り立つコミュニケーションなんだと感じました。

「処女をもらう・あげる」「童貞を卒業する」という言い方に、以前から違和感があったのですが、「初体験はあげたりもらったりするものでも、済まさなければいけないものでもない」と背中を押してもらったような気がします。

また、著者と各界で活躍する人との対談も興味深いです。恋愛、教育・子育て、夫との関係など、さまざまな視点で語られています。弁護士であり、2人の息子を育てる母親でもある著者の思いが伝わってきました。

恋バナ収集ユニット「桃山商事」の清田隆之さんとの対談では、「どうして男はそうなのか」が語られていて、おもしろかったです! ほかに、小学校教師の星野俊樹さん、アナウンサーの小島慶子さんとの対談もあります。

性差別が話題になるとき、「女性の問題」として扱われることが多く、男性も当事者であるという認識は希薄です。だからこそ、これからの男の子たちが性差別に対して一緒にたたかうための知識が本書に詰まっています。


『先生の白い嘘』鳥飼茜

※閲覧注意!性暴力に関する描写があり、好みが分かれる作品です。

男女の性の不平等を痛烈に描いた衝撃作です。
「このマンガがすごい!オンナ編 2014」で第9位にランクインしました。

作者はほかの作品でも、女性の生きづらさを描いていますが、本作ではその描写力がすさまじいほど発揮されています。わたし自身、初めて読んだときには強烈すぎて、途中で読むのをやめてしまいました。

世の中にはびこる性差別がひしひしと伝わってくる作品です。
気になる方は、お読みください。


番外編・ドラマ

『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類! 新春スペシャル! !』TBS

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連続ドラマ放送から4年が経った2021年のスペシャルドラマです。社会問題をポップに描いた傑作がさらにパワーアップしました!

  • 妊娠出産(つわり、計画無痛分娩)

  • 選択的夫婦別姓

  • パートナーとの分担・関係

  • 男らしさ問題(夫・父親の責任)

  • セクハラ

  • コロナ    …etc.

さまざまなトピックに連続ドラマ時よりもさらに踏み込んでいて、製作陣の心意気を感じました。

また、他局の番組とコラボしたシーンもあります。業界の垣根を越えた取り組みがすばらしかったです。

みくり(新垣結衣)と平匡(星野 源)を見ていると、「こんな関係がいいな」という気持ちになります。ドラマを楽しみながら、より生きやすい社会について考えさせられました。

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本記事がフェミニズムを知りたい方のご参考になれば、うれしいです!

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