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著…マネー・ヘッタ・チャン『ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話』

 「10万円振り込んでくれたら、必ず当たる株式銘柄を教えます!」等の騙しのテクニックのカラクリをブラックユーモアあふれるイラストと文章で教えてくれる本。

 まるで童話のようでありながらも、パンチのきいた内容です。

 第1話『ヘッテルのフエーテル』のあらすじはこう。
 引きこもりの男性フエーテルが、元手とするお金すら自分は持っていないくせに、株式銘柄の詐欺にまんまとひっかかってしまいます。
 フエーテルの元手は妹ヘッテルから借りたもの。
 自己破産も時間の問題となったフエーテルは、ヘッテルへお金を返すことが出来ません。
 グリーム婆さんが詐欺師の用いたカラクリを解説してくれますが、フエーテルもヘッテルも、もはや後悔しても後の祭り。
 騙し取られたお金は決して返ってきません。

 第2話『カネヘルンの笛吹き』は、ヘッテルが自己啓発本や講演にハマりすぎて大失敗するというエピソード。
 ヘッテルは「NOと言え」とすすめる自己啓発を真に受けて仕事を断り続けてしまい、結果的に解雇されました。
 当たり前ですよね、働かない人に給料なんてあげたくないですもの。
 また、これも自己啓発の受け売りで、ヘッテルは年収1000万円以下の男性からの誘いを相手にしなかったため、誰からも声をかけられなくなってしまいました。

 こんな感じでこの本には、『第3話 ピノキオ銀行』『第4話 アホスギンちゃん』『第5話 ヤンデレラ』『第6話 ヘッテルと7人のODA・NPO』『第7話 王様の金はロバの金』『第8話 裸のフエーテル様』などなどのお話が載っています。

 ある意味、どんな怪談を読むより怖い本ですね。

 うまい話には必ず裏がある。

 人の言うことを鵜呑みにせず、自分の頭でちゃんと考えるべき。

 と教えてくれる本です。

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