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著…メアリー・スチュアート 訳…越前敏弥、中田有紀『新訳 メアリと魔女の花』

 わたしはこの物語を読み始めてすぐ、英国の草花の描写に心を奪われました。

 心地よい風に吹かれてかすかに揺れる可憐なお花たちや、太陽の光を受けて輝く庭の木々たちをすぐイメージ出来る文章だからです。

 なんだか、本一冊分の料金でイギリス旅行に出かけたみたいに得した気分。

 これは作者のメアリーさんが読者にかけてくれた魔法の一つなのでしょうか?


 ※注意
 以下の文は、結末までは明かしませんが、ネタバレを含みます。


 さて、この物語の主人公のメアリはというと…、ある日突然、魔法の世界へ迷い込みます。

 奇妙で、魅力的で、でもとっても怖い魔法の世界へと。

 これは映画『メアリと魔女の花』のノベライズではなく、原作を新たに訳した本なので、「原作を読んだことはないけど映画版は観たよ」という方は両者のストーリーの違いに驚くかもしれません。
 (ちなみに、昔訳された時の本のタイトルは『小さな魔法のほうき』だったそう)

 実はわたしも驚いたうちの一人。

 結果的にはそれぞれの良さを大好きになりました。

 特に、原作の持つ冒険活劇のスピード感や独特の不気味さが好きです。

 妖しい魔女に捕まらないようにご用心…。


 〈こういう方におすすめ〉
 魔法にまつわる物語が好きな方。
 アニメ映画『メアリと魔女の花』を観て、原作を読んでみたくなった方。

 〈読書所要時間の目安〉
 1時間半くらい。

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