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著…上野友愛、岡野麻美『かわいい絵巻』

 こんばんは。

 「キモ可愛いものが好き」という方におすすめの本をご紹介します。

 『鳥獣人物戯画』等の絵巻は「可愛い」のですが、それ以外の絵巻は「キモ可愛い」作品が多め。

 中には「これ…怖いわ…」とちょっと引くような作品もあります。

 たとえば『築島物語絵巻』。
 のっぺりとした顔の人たちが描かれていて、一見「平たい顔族って感じでキモ可愛い…」かと思いきや。
 実はこれ、恐ろしい絵巻なんです。
 平清盛の築島(人工島)造営計画の折に、30人もの人が生きたまま人柱として海に沈められることとなり、父の身代わりになりたいと願い出た娘は父ともども許されたけれど、残り全ての人質の代わりになりたいと願い出た清盛のお付きの少年・松王は海に沈んだ…という物語を描いたそう。
 …松王も見逃してあげてよー!

 と、ゾッとするような絵巻もありますが、この本にはクスッと笑える作品も紹介されています。

 わたしが一番笑ったのは、『おようのあま絵巻』。
 年老いたお坊さんが若い女性を世話してもらおうとワクワクして、現れた女性と一夜を共にしたら、朝起きるとなんと横にはおばあさんが!という物語。

 また、『掃墨物語絵巻』も面白いです。
 ある娘さんの家に突然若いお坊さんがやって来たので、娘さんが慌てて白粉を顔に塗ったところ、実は白粉と眉墨を間違えていて娘さんの顔は真っ黒! 若いお坊さんはビックリして逃げ出してしまった!という物語。
 わたしは寝ぼけて洗顔フォームと歯磨き粉を間違えて顔がやたらヒリヒリした経験があるので、この絵巻の娘さんの行動に「あるある〜!」と共感しました。

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