壁にぶつかって、悩んで、乗り越えて、壁にぶつかって、を繰り返して宝塚歌劇団のトップスターになり、退団後も多方面で活躍する柚希礼音さんの本。

　ご本人も素敵ですが、ご両親の素晴らしさにも驚かされます。

　例えば、柚希さんが宝塚音楽学校に入ったばかりの頃。

　踊りは好きだけれど歌やお芝居は苦手だから宝塚音楽学校をやめたい、と思い詰めた柚希さんに、ご両親はこうおっしゃったそうです。

　また、 柚希さんの公演にあたり、柚希さんのお母様は、

　とおっしゃって、公演を前列で観ようとしなかったそうです。

　柚希さんがお母様に内緒で前から5列目の席を用意すると、

と声を震わせて怒ったそうです。

　他にも、

　とおっしゃったそう。

　かっこいい！

　親だけが子どもを育てるわけではありませんものね。
 
　周りの方たちに育てていただいて、支えていただいているんですよね。

　それを気づかせてくれるご両親だけでなく、宝塚には素晴らしい先生方や先輩方がいて、ファンの方たちがいて…、と、柚希さんから周りの方たちへの感謝の気持ちも伝わってくる一冊。