著…高橋こうじ『日本の大和言葉を美しく話す こころが通じる和の表現』

 美しい色合いの表紙に惹かれてわたしはこの本を読み始めました。

 この表紙は、もし日本の伝統色で言えば何色にあたるのでしょうか?

 草色? それとも苔色?

 どのページを捲ってみても、「赤」「青」「黄」などと一言では言い表せない優しい色づかいが見受けられます。

 色の本ではなく言葉の本なのに、わたしは読んでいて思わず「このページの色の名前を知りたい」と呟いてしまいました。

 きっとこの本を作った方たちは、日本古来の言葉はもちろん、日本の色というものも大切に思っていらっしゃるのでしょうね。

 さて、この本は大和言葉についての本です。

 日本語は大きく分けると、

 ●中国語からきた「漢語」
 ●中国以外の国の言葉からきた「外来語」
 ●古くから日本に伝わる「大和言葉」

 に分類されます。

 これは、その「大和言葉」の中でもひときわ美しい響きの言葉を選りすぐって紹介した本。

 言葉の意味や由来を丁寧に教えてくれます。

 わたしは特に、夕刻を表す「たそがれ」の語源が「誰(た)そ彼は」である、というくだりが素敵だと思います。

 他にも、「思い初める」「恋衣」「星月夜」といった美しい言葉にうっとり。

 言霊の幸(さき)わう国、という言葉をご存じですか。われらが先祖たちは、日本を「言霊の幸わう国」と呼んでいました。言葉が栄えさせている国、ということです。

(著…高橋こうじ『日本の大和言葉を美しく話す こころが通じる和の表現』 単行本版P130から引用)


 という文も好きです。

 言葉を大切にする国に生まれ育ったにも関わらず、常日頃、いかに自分が言葉を雑に扱っているか、ということに気づかされました…。

 これからは漢語や外来語と共に、大和言葉を意識して使っていきたいです。



 〈こういう方におすすめ〉
 美しい日本語に触れて心を和ませたい方。

 〈読書所要時間の目安〉
 2時間くらい。

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