お饅頭をはんぶんこ。
大きい方、あげるね。

小指に絡む小指。
あっ
何事もない顔で歩く。

雨の日は、てるてる坊主。
２人が軒に並ぶ。

「凄く近いよ」耳元で囁く。
「好きだから」

くすぐったい？
そう？
私にはやわらかいよ？

月曜日の浮気。
垣根から顔出すネコを見る。

ネコぐらいで嫉妬した？
それ、喜んでいい？

真夜中のLINE。
「どうした？」胸騒ぎ。

今すぐ伝えたくて！
今？
無限に愛してるよ。

花弁は種類が変わり、
会えない時計代わり。

何かが足りない。
隣のベンチは、空のまま。

今すぐ来てくれたら
きっと満たされるのに。

誕生日はなにがいい？
特別な好きも贈るね。

「愛だろ、愛」
走り書き、貴方からの手紙。

#シロクマ文芸部
#小牧幸助さん
#書き初め20字小説