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【読了】『歴史の屑拾い』

はじめに

著者 藤原辰史さん
1976年(昭和51) 北海道 旭川市生まれ。
島根県奥出雲町で育つ。
京都大学 准教授
専門は、食と農の現代史

【京都大学/公式サイト】

『歴史の屑拾い』藤原辰史 著
講談社 (2022.10.18)

【関連】
「好書好日」2018.07.28 より
藤井誠一郎 『ごみ収集という仕事』

歴史の断片が、大きな歴史的物語に吸収されないように。
キーワードは、現場主義を貫く。
歴史は、危機の時代の勝者や生存者によってしか描かれてこなかった。勝者しか歴史を書けない。
歴史の泥沼に落とされた断片を1つ1つ拾い上げ、目録を作る。p.12

1章 

歴史上の噂やデマ
デマに人の心が囚われる時代には、まだ見ぬ思想が新しく目覚め共有される兆しがあるとも言える。p.22

歴史は、紙や石碑だけでなく臓器にも痕跡を残す。
肺に刻まれた歴史
従来の歴史学は、循環器系より消化器系に力点が置かれていた。関心は「食」
食の生産・分配・流通
食の生産に関わる土地制度や税制
循環器系や呼吸器系は、生活の格差。とりわけ社会階層と関連がある。
肺に刻まれた歴史 pp.23〜30.

日記と地域史
スペイン風邪流行
1918年(大正7)から1920年(大正9)に流行したスペイン風邪は、全世界で患者数約6億人で、2,000万から4,000万人が死亡したとされている。p.31

米騒動
1918年 (大正7) 7月下旬、富山湾沿岸一帯で米の県外移出禁止、安売り要請運動が起こりました。8月にこの運動が新聞に報道されると「米騒動」と呼ばれる民衆運動が全国各地に広がりました。
pp.31〜38.

2章

戦争を知らない世代
『給食の歴史』岩波新書 1748

2章〜3章

講義の中の戦争
pp.49〜66.

「現代史概論」
2020年から始まる
pp.67〜76.

4章

一次史料
誰からも加工が施されていない文書 p.81
歴史学の三つの様相
① ある歴史事実の個性を描く
② 歴史の構造
③ 歴史の傾向
歴史の研究には、一次史料を集め、整理し、それを分析する作業が欠かせない。p.87
歴史の研究は、史料の断片を重ねる作業。p.95
そして、歴史の傾向をつかむこと。p.96

『史学概論』遅塚忠躬(ちづかただみ)著
東京大学出版会 (2010)

5章

非人間とは
人間と自然 人間と機械 人間と土壌 人間と空気 人間と植物 人間と動物 など pp.105〜124.

6章

歴史(事件)の背景 pp.125〜140.

7章

歴史と小説は、ジャンルとして認めるが、その違いは「読者に伝えるための方法の違い」にすぎない。p.170

エピローグ

偶然を待ち受ける
書き終える前に、書くことを一旦停止し、別の角度(取り組んでいる別のジャンルなど)から見てみる。
フィランソロピー
pp.179〜187.

全体で感じたこと

一次史料を集める
『ごみ収集という仕事』藤井誠一郎 著

内容を組み立てる
さまざまなアングルから、この現実を支える世界の仕組みの歴史的根源を探っていく。

【付録】 B面の岩波新書

藤原辰史 
パンデミックを生きる指針

起こりうる事態を冷静に考える

2022.11.22.

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