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箭内道彦さんの「デザイン思考」と「アート思考」の言語化が分かりやすかった。

2023/10/15号の雑誌「BRUTUS」。

大人になっても学びたい!仕事で夢をかなえる10のスキル」という、リスキリングに関する特集が組まれていた。「ブルータスがビジネス書をつくる」という企画も面白く、本好きとしては何度も頷きながら特集を眺めていた。

10冊の架空の本が紹介されている中で、僕が目を引いたのはクリエイティブディレクター・箭内道彦さんの記事。『デザイン思考とアート思考。』という本で、箭内さんがそれぞれの考え方を端的に、分かりやすく説明していた。

その中で面白かったのが、デザイン思考とアート思考という似て非なるものをいかに組み合わせて、課題解決につなげていくかという部分。具体的なシチュエーションを語っているので、一部を引用して紹介する。

例えば町の壁を塗り替える時に、「赤がいいか、黄色がいいか」で意見が対立しているとしましょう。そこで、多数決をとるとか、2色を混ぜたオレンジにするとかではなく、「水色もいいですよね」「そもそもこの壁いらなくないですか?」と思いもよらぬアイデアを差し出すことがクリエイティブの役割です。(中略)僕は先に「壁、いらなくない?」というアイデアを思いつき、後からそれを検証する。その方が飛躍も生むし、課題に対して純粋な解になると思います。

雑誌「BRUTUS」2023/10/15号、「RESKILLING2 斬新な企画を生み出したい!」P26より引用

どちらかといえば、僕は企画やマーケティングの仕事をずっとやってきたので、アイデアを出すことは得意だ。それが面白いか面白くないかは別にして(たいてい最初に思いつくのは「面白くない」ことが多い)、アイデアを生み出すことはできる。

だが前職で人事というバックオフィス業務に携わるようになって、「自分がやりたい」よりも、周りが何を求めているかを考えることが多くなっていた。企画を「通す」よりも、「通る」ことに重きを置くようになっていたのだ。

そんな中で、まずは現状を打破するアイデアを大切にする箭内さんの言葉は励まされる。いわゆるアート思考が入り口になって、そこからデザイン思考を組み込みながら、課題解決へと向かっていくのだ。

書けば「そりゃそうだろ」という感じもする。

でも、アートなのかデザインなのか、で迷う / 悩む人もそれなりにいるだろう。どちらかでなく、どちらも。何なら個人の感性やアイデアが起点になる。

心の底から湧き上がってきた気持ちを、大事にしよう。そんなことを思った秋雨の日。また明日から、仕事頑張ろう。

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宇宙飛行士の野口聡一さんの記事も面白かったです。僕が一番なるほどと思ったのは、「RESKILLING8 AI時代を勝ち抜きたい!」という記事。ゲームAI開発者の三宅陽一郎さんとアニメーション監督の吉浦康裕さんが対談しているものです。

映画におけるAIの描き方だったり、これからの生成AIの可能性だったり、微妙にモヤモヤしていたものが繋がったような感覚を得ました。

BRUTUSがビジネスという切り口で特集を組むことは、これまでも時々ありました。今回はリスキリングというテーマを扱っていることもあり、ビジネスパーソンであれば購入して損はないかなと思います。ぜひ書店へ!

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