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コロナ禍からの「旅立ち」を予感する物語(映画「ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…」を観て)

5歳の長男と、映画「ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…」を観に行きました。

5日前から「観に行こうか」と誘ったところ、快諾。

8時上映に合わせて、本日は6時半起床。いつもはなかなか起きない息子も、「朝だよ、映画行こう」の一言で、すぐに行動開始しました。いまも昔も、ウルトラマンは子どもに人気なんですね。

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最近のウルトラマンは、格好よすぎ

普段、Amazon Prime Videoでウルトラマンシリーズを観ているのですが、僕はそれほど熱心に観ているわけではなく……。

というのも、初代ウルトラマン〜ウルトラマン80までを愛好していた僕からすると、最近のウルトラマンはちょっと格好よすぎというか。ちょっと戦隊シリーズっぽい印象もあって、あまり観る気持ちになれなかったのです。

なので、「どうやら変身するらしい」とか、「変身する人間が、変身後も人格を保ち続けているっぽい」とか、それぐらいの浅い知識しかありませんでした。

実際、映画館で観たウルトラマンデッカー(と、松本大輝さんが演じるアスミカナタ)は、めちゃくちゃ格好良かったです。格好良かったがゆえに、ずっと抱いていた違和感は拭えませんでした。

ウルトラマンとは、滑稽な存在ではないのか

個人的には、ウルトラマンって、ちょっと滑稽な存在だと思うんです。

地球の平和を守るために、わざわざM78星雲から飛んできてくれたウルトラマン。なのに、地球ではたった3分間しか戦えない。

あれだけ長期にわたって地球で戦闘を続けるのだから、ちょっとずつ対策できるんじゃないか。でも彼らは、頑なに「僕たちは3分間でケリをつけるんだ」と言い放つわけです。(言葉を発するわけではないけれど)

戦闘シーンにも難癖つけたくなることがあります。戦闘における「戦略」が、あまりに希薄ではないでしょうか。いつもカラータイマーが鳴ってから本気を出し、怪獣を倒しますが、あれっていつもヒヤヒヤしてしまいます。登場したばかりの元気なタイミングで、相手にダメージを与えるようなスマートさが、ウルトラマンには欠如しています。

それでも、ウルトラマンを応援したくなるのは「地球の平和を守る」という大義があるから。そして、どの怪獣たちもめちゃくちゃ凶暴で、子ども心には恐ろしく見えました。それらを助けてくれるウルトラマンは、細かなつっこみどころはあれど、ヒーローそのものでした。

ウルトラマンに頼らず、組織で怪獣に立ち向かう

「ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…」の特徴は、主人公である人間たちのドラマが色濃く描かれていた点です。

3名の主要キャラクターが、それぞれで支え合って役割を全うしようとします。カナタがウルトラマンデッカーに変身できなくなったという事情はあるのですが、防衛チーム「GUTS-SELECT」の面々は、決してウルトラマン頼りにはしません。

人間として、自分たち自身が、地球の平和を守るんだという意思。

今回の敵は、ギベルスというかなり頭の切れる悪役。頭が切れるだけでなく、超凶悪な怪獣も召喚することのできる、かなり厄介な敵です。

初期のウルトラシリーズは、なんだかんだウルトラマン頼りの側面がありましたが、本作では「みんなで戦う」という意思を貫き通していました。この設定には、同じ人間である観客は、きっと胸を熱くしたでしょう。

願わくば、もうちょっとウルトラマンによる闘いも観たかったですが……。こればかりは仕方ないですね。なかなかエキサイトな84分間でした。

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映画を観た新宿ピカデリーは、朝8時からの上映にも関わらず満席でした。親子連れの姿も多く、「ああ、もう普通に外出しつつあるんだな」と実感しました。

息子にとっても、2023年は2回目の映画鑑賞。(通算6度目)

ポップコーンキャラメル味を誘い文句に、これからも色々な映画を観に行きたいものです。

こんなふうに、たくさんの未就学児や小学生も、映画館に足を運んでほしいです。どんな映画でも、映画館での鑑賞は、素晴らしい体験になるはず。僕が運営している「osanai」も、そんな呼び水を向けられる存在になれたらと思います。

(映画館で観ました)

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