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「管理職」や「~長」というのは、ただの「役割」なのである

仕事をしながら、時間経過がわかるようにNHK第一放送をつけている。

先日、番組の中で「人生相談」のようなコーナーがあった。
「40歳代の女性管理職が、年上で男性の部下に手を焼いているので、どうしたらいいか?」というものだった。
コメンテーターは、「AI研究家」の黒川 伊保子さん。
その相談に対して、「40歳の頃の女性は、とにかく間を置かず、早口でしゃべってしまうから、意図的に間をおいて話すように」というようなアドバイスをしていた。

まぁ、そういうこともあるだろうけども、私は問題の根本はそういうことではないと感じた。

おそらく女性管理職は、その年上の男性の部下を「自分より年上の男性なのだけど、立場上は部下」という扱いをしてしまってる。露骨にはだしてはいないけれど、言葉の端々や態度に、そういう扱い方がにじみ出てしまっている、ということなのだろうと思う。

また、その年上の男性の部下も、その年下の女性上司に対して、「自分より年下の女性なのに、立場上は上司」という扱いをしてしまっているということだろう。

こういう関係性では、たとえ「話すスピード」を多少変えたぐらいでは、到底問題は、解決しないと思う。

そもそも、この組織、特に相談者である女性上司は、「管理職」や「~長」というのは、ただの「役割」なのであるということを考え直すべきである。

よく自治会の会長だとか役員だとか、PTAのそれでも揉めることがあるが、ほとんどの問題の根本はそういうことである。

上司という立場に立った者は、立場上、下(本当は下ではない)になった人が年上であろうが、自分の子どもぐらい若い人だろうが、きちんとリスペクトするという態度で接しなければならないのである。

例えば、亡くなった俳優である、「高倉 健」さんは、そういうことを身に付けている人だった。
あるエピソード。
アルバイトの学生が、地方のロケのためにホテルに泊まっている高倉さんを朝、迎えに行った時のこと。
さぞや大物らしく登場するのだろうと緊張していたが、エレベーターから降りてきた高倉さんは、その学生に対し、90度近くおじぎをしながら、「高倉です。今日はよろしくお願いします!」と言ったらしい。

これは「高倉健さんが、大スターなのに腰が低い」というエピソードでは、決してない。
彼は、「役者」「監督」「アルバイト」「エキストラ」などというのは、仕事をする上での「役割」であって、地位や上下関係ではないということを、ちゃんとわかっていたのだろう。

ましてや、年齢や性別などによって「扱い方」を変えてはならず、どのような人に対しても一緒に仕事をしてくれるリスペクトすべき相手であるということも。

もし、仕事をする上での態度や言動で、どうしても問題が生ずるようであれば、前述のようなことをお互いに十分確認した上で、どういう風にすれば、お互いが納得できるかを探すようコミュニケートするようアドバイスすべきではないかと思った。




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