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頭の中のカイザードラゴンを止めるのは、もうやめよう

頭の中が常に忙しく動いている人は結構いると思う。

まさに僕がそれで、四六時中ずっと思考がポコポコと浮かんでは消え浮かんでは消えていっている。だからといってナイスなアイデアを次々思いついたり、多くの人をハッとさせるようなことを閃いたりすることはない。大体は無駄な思考というやつで、毒にも薬にもならないものばかりだ。

ついさっきも、コーヒーを飲みながら思考がハチャメチャなことになっていた。思い出せる限りはこんな感じだ。


コーヒーおいしい。にがい。にがうまい。いや、うまにがい?
うま。馬はやい。馬は強い。ウマ娘のパンチは痛そう。でもパワー押しだから全部ストレートパンチでフックとかアッパーとか使わなそう。
馬アッパー。ウマ昇竜拳。やばいこれ強いやばい。ドラゴンくらいなら倒せる。カイザードラゴンくらいまで倒せる。
馬の油。馬油(バーユ)。お肌にいいらしいね。馬油を拳に塗りたくって昇竜拳。滑りが良さそう。くらった方も肌ツルツルでWin-Winじゃない?
カイザーツルツルドラゴン。カイツル。いや、ツルカイ……?

出典:僕の脳


キリがないのでここまでにしておくけど、こんなことが無限に湧いてくる。

ちなみにこれを考えていたのは早朝のことで、見た目だけは爽やかな朝日の中でゆっくりコーヒーを飲むという最高にオシャンティーな状況にも関わらず、その頭の中ではカイザードラゴンに油まみれの昇竜拳をブチ込んでいるのだ。朝から凄まじい脳細胞のムダ使いをしている。


で、頭の中がこんな風になっているのは僕だけじゃないはずなのだ。

思考はとにかく止めどないものだ。「なんにも考えない」はめちゃくちゃ難しい。「アイツ、なんにも考えてなさそう~」と言われるような人も、絶対頭の中でカイザードラゴンに何らかの技を繰り出している。

頭の中を無にするなんてのは、仏門の人がアホほど座禅を組んだ末にようやく辿り着ける境地なんだから、俗物である僕らは思考をポコポコと湧かせては脳細胞を散らしていくしかないのだ。

湧きあがったものはヘタに押さえつけたり整えたりせず、そのまま出してしまうのが一番いい。お腹が減ったときに食べるのが一番おいしいし、排泄も我慢せずにしたいときにするのが最も健康的じゃないか。そもそも湧いてくる思考は一番コントロールできないものだから、そのままアウトプットした方が精神衛生上いい気がする。


そういう意味で日記というのはとても良いツールなんじゃないだろうか。

日常生活でいきなり「カイザードラゴンの鱗から造った剣は全てを切り裂くよね」と言い出すとカテゴリー:ヤバい人のフォルダに入れられてしまうけど、日記で書くぶんには問題ない。むしろヘタにまとめたりしないぶん勢いが出るし、何より小賢しく整えなくていいのでストレスがない。


うん、やっぱり思考は垂れ流すべきだ。僕みたいにムダな思考が止まらない人は特に。

頭の中にいるカイザードラゴンは飼いならせない。存在を許そう。


数分後にはカイザードラゴンは消え失せて、ハイパーメガ粒子砲搭載ゴブリンキングに変わってるかもしれないけど、まあいい。僕の脳よ、もう好きにやってくれ。


サポートされると嬉しさのあまり右腕に封印されし古代の龍が目覚めそうになるので、いただいたサポートで封印のための包帯を購入します。