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実践報告 小学5年国語「メディア論」

児童と一緒につくりあげた授業の話です。

児童の実態

もともと論理的な読解よりは情緒を読み取ることが得意なのですが、今回は『想像力のスイッチを入れよう』という説明文の単元でテストの平均点が70点に届くかどうか、という残念な結果になりました。
もともと児童が抽象的な思考、論理的な思考を苦手としていることはわかっていたのですが、私の指導力不足を嘆いております。
抽象的に考えることは5年生から本格的に始まりますが、1年間のなかでも単元によってここまで当たり外れの大きい学年であり、他教科でも「テストの文意が汲めない」などの課題があるそうで、なんとかこれからの1ヶ月半で論理的な思考力を鍛えていく必要があります。

実践内容について


授業で使用したスライド

今回の参考文献は、『生き抜くためのメディア読解』(小林真大著、2021、笠間書院)です。
これは国際バカロレアの「メディア読解」で使っている方法論で、文字や写真などの媒体をどう分析するかの実例集となっています。
選択した理由は、小学校高学年から読めそうな内容であることと、課題となった単元『想像力のスイッチを入れよう』がメディアの話であり、関連させながら児童の思考のくせに気付かせたいというねらいもありました。
実際の実践では、まず「人間は2つの情報を見ると結びつけたくなr」という実例を体験してもらいました。
点を2つ並べて描いて、何に見えるか話し合ったり、『想像力のスイッチを入れよう』のテストに出た箇所で2つの異なる情報を結びつけると印象がどう変わるかという話をしたり……自分たちの思考のくせについて、ここである程度把握してもらいました。
その後メディアの読解に必要な6つのステップをスライドで示し、Youtubeのショート動画とニュース番組の違い、メリットとデメリットを確認してから6つのステップを意識して読解するというウォーミングアップをしました。
身近な例だったためか、議論が活発になり、あれこれ児童が話をしながら考える姿が見られました。
その後百貨店のLUMINEの広告を例に、再度6ステップを踏んで分析を実施しました。
女性の足と文字がクロスしているカッコよさや。言葉の選び方などで特定のイメージを与えることができるのだ、ということを理解してもらう1コマとなりました。

板書の様子

反省と今後の展開

教えたい内容に対して時間が足りず、十分に「個から全体へ」というスタイルの授業ができませんでした。
どうしても私は教えたがるので、児童のなかから気付きを拾っていけるとよかったのかなと思っています。
児童が私の話を聞くばかりの授業にするとつまらなくなる(定着しなくなる)ので、児童が手を動かし、思考する時間を確保すること、授業のデザインを再考する必要があったと反省しています。
この「メディア読解」の授業は、最後の単元が終わったあとに再挑戦する予定です。
その際はこの6つのステップを確認してからお題の広告について班で分析してもらう予定です。

手法のまとめ

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。