見出し画像

北海道スペースポートより 2023年もよろしくお願い致します。

新年があけまして1週間が経ちましたね。
昨年は多くの方々に多大なる支援をいただき、新たなロケット発射場建設をスタートすることができました。
今年も北海道での宇宙版シリコンバレー創出という目標に向けて邁進してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

昨年は新たなロケット発射場整備のほか、企業や団体との繋がりづくりにも励んだことで、企業の進出や連携が増え、大樹町の人口減が60年ぶりに歯止めがかかり、宇宙のまちづくりは着実に進展しました。盛りだくさんだった2022年を振り返り、今年の北海道スペースポート(以下、HOSPO)動向をお伝えします。

人工衛星打上げ用ロケットの発射場が着工

北海道の鈴木知事、内閣府の和田副大臣も参加した安全祈願祭

2022年最大のトピックは、何と言っても新たなロケット発射場「Launch Complex-1(以下、LC-1)」の着工です。9月の着工式には北海道の鈴木直道知事、内閣府の和田義明副大臣ら170人に参列いただきました。たくさんのメディアでも取り上げていただきましたので、ニュースでご覧になった方も多いかもしれません。
LC-1は2023年度内に完成予定で、国内外のロケット事業者による小型人工衛星の打上げが始まります。その後も事業者の利便性を高めるため、LC-2とそれ以降の宇宙港設備の拡充を検討しています。

LC-1完成予想図

地方創生交付金、110社9億円超の企業版ふるさと納税で発射場建設

LC-1を整備するための財源は、半分を内閣府地方創生拠点整備交付金を充てます。この交付金が採択されたのが昨年3月です。ロケットや人工衛星の製造企業、衛星データ利用企業等の誘致、雇用創出のほか、観光客受け入れなどで新たな人流が生まれることによる大樹町の地域活性化策を、国に後押しいただくことができました。

残りの半分の財源は、企業版ふるさと納税や個人版ふるさと納税などの寄附制度を活用します。昨年も、多くの企業や個人からたくさんの寄附を頂戴し、募集を始めた2020年4月から昨年10月までの2年半の実績は、114社9.2億円となっています。寄附件数の多さが大樹町の特徴で、宇宙のまちづくりによる地方創生という趣旨に広く賛同いただきました。2021年度の寄附金額は全国6位にもランクインしました!

2021年度の大樹町への企業版ふるさと納税は北海道内2番目、全国6番目の7億2,800万円。件数は道内1位の80件

巨大ペットボトルロケットで世界記録、航空フェア|
2022年も多彩な実験、イベント

昨年も宇宙を軸とした新たな繋がりがたくさん生まれた1年となりました。
HOSPOを初めて利用いただいた方々のうち、5月には気球による民間の宇宙旅行実現を目指す岩谷技研(札幌市)が気球の放球実験を行いました。
特別支援教育に取り組む東京のNPO「翔和学園」は全長8m弱の巨大ペットボトルロケットを打上げ、8月に世界記録を達成。HOSPOが偉業を支えました。

小型飛行機の所有者でつくるNPO「AOPA-JAPAN」(日本オーナーパイロット協会、東京)は8月、10機超が集結した航空フェアを初開催。夏休み中の多くの家族連れが間近で飛行機と触れ合いました。

航空フェアのポスター

INCLUSIVE、インフォステラ、サントリービバレッジソリューション、日本旅行、ほくでんコクリエ、北海道コカ・コーラボトリング|
宇宙のまちづくりへの協力、進出企業が増加

宇宙のまちづくりを共に進めていただける企業も増えました。
7月にはロケット打上げの観光で豊富な実績を持つ日本旅行(東京)とパートナーシップ協定を締結。今年はHOSPOを活用した旅行商品を開発し、観光誘客を本格化させます。
北海道コカ・コーラボトリング(札幌)とサントリービバレッジソリューション(東京)とは、自動販売機の売上の一部をHOSPOプロジェクトに支援いただく取り組みを始めました。
北海道電力グループの「北海道電力コクリエーション(ほくでんコクリエ)」(札幌)には、電気料金がお得になり、料金の一部がHOSPO整備に充てられる電力サービス「宇宙でんき」を開発いただきました。

北海道電力コクリエーションの宇宙でんき

そのほか、人工衛星用地上アンテナのネットワーク化やアンテナの設置支援サービスを行うインフォステラ社(東京)が町内の廃校跡に地上局サイトを開設。
また、大樹町はINCLUSIVE(東京)、INCLUSIVE SPACE CONSULTING(札幌)と協定を結び、人工衛星データによる地域産業の効率化で人手不足対策を進めます。

前年比2000人増の4700人参加、大盛況の宇宙サミット2022

9月に開催した第2回の北海道宇宙サミットは、オンラインも含めた参加者が4700人となり、前回の2021年開催から2000人増となりました。スポンサー・後援も3倍の61社・団体となり、北海道での宇宙産業発展の機運が一層高まりました。
■北海道宇宙サミット2022 ダイジェストムービー

■北海道宇宙サミット2022 当日カンファレンスアーカイブ映像

大樹町の人口減が60年ぶりにストップ

町内に拠点を置く宇宙ベンチャーの組織拡大(数年前は30名程度→2023年は120名に)などもあり、宇宙関連の人材が大樹町に集結、移住が増えています。そこで、60年続いていた大樹町の人口減に歯止めがかかりました。宇宙版シリコンバレーの創出が着実に進んでいます。
今後も大樹町への進出を予定している宇宙関連事業者もおり、今年も宇宙のまちづくりによる地方創生をさらに推進していきます。

【2023年】新ロケット発射場LC−1の工事が大詰め

2023年は新たなロケット発射場LC−1の工事をしっかりと進めていきます。
HOSPOは、ロケットを打上げる方角の東と南に海が広がり、世界的にもトップクラスに条件が良いスペースポートです。HOSPOで多くの事業者に打上げを行ってもらえるよう営業活動も積極的に進めます。

発射場建設の財源となる企業版ふるさと納税や個人版ふるさと納税も引き続き募っていきます。また、HOSPOプロジェクトを支援いただいた企業によるコミュニティ「HOSPO SUPPORTERS」限定のイベントも開きます。さらに、北海道宇宙サミットは今年も開催し、宇宙のまちづくりによる地方創生、さらには国の経済発展に資する取り組みとして、より一層共感の輪を広げていきます。

■個人ふるさと納税が宇宙港整備や宇宙事業の財源になります!まだまだ募集しています!宇宙港に名前を刻める権利など宇宙港ならではのユニークなリターンなどをご用意しています。

【2023年】航空宇宙の実験、民間ロケットの試験も盛んに!

早速1月からもロケット関連の実験が行われていますが、2023年も政府、大学、民間企業の航空宇宙実験を数多く受け入れていく予定です。
また、LC-1で打上げ予定の民間ロケットの開発がさらに進み、HOSPOでのエンジン試験なども予定されています。

【2023年】宇宙のまちづくりグランドデザインが完成

宇宙版シリコンバレーの創出が進展すると、HOSPOがある大樹町は宇宙関連企業が集まり、多くの人が住むようになり、人口5400人の小さな町は大きく変化することになります。
HOSPOの運営に関わるSPACE COTAN株式会社は、町民と共に未来の大樹町の姿を考える計画「宇宙のまちづくりグランドデザイン」を作っています。町民が誇りを持てる町にはどんなまちづくりが必要かをまとめ、2024年からスタートする大樹町の第六期総合計画策定にも提言します。

2023年も話題やイベントが盛りだくさんになると思いますが、逐一みなさまにお知らせいたしますので、引き続き応援いただけますようお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?