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🧹 季節の手仕事

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干し柿2023|暖冬で波乱

干し柿2023|暖冬で波乱

年々想像を超えるほどの暖冬で、
渋柿の熟れがはやく、
湿度が50%以上の日も多かった。

自然のちからを借りながらする干し柿は
その影響をもろに受け、
柿がやわらかい状態が続いた。

毎日毎日
だいじょうぶかな?

この柿全てががカビて
食べられなくなったらどうしよう。

カラスは毎日柿の前を素通りして行くし、
いつかカラスに見つかって
全部食べられたらどうしよう。

悪い想像ばかりしていたが、そ

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干し柿2023|柿、渾身のサプライズ。

干し柿2023|柿、渾身のサプライズ。

昼間は20度を超えるような暖かさ。
故に渋柿の早熟。

そこに干し柿シーズンの出張が重なり
我が家の干し柿は乾ききらず
やわらかでぶにょぶにょとした状態が続いている。

それでも試しに一口かじると
柿色のきらきらした宝石のような果肉が溢れ出して、どんな悲しみも包んで溶かしてくれるような甘さが、おいしくてやさしい。

でも朝起きるたび今年は失敗かもしれない。
去年の3倍以上、約170個の柿たちをどう

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カリカリ梅 |祖母とつながる※追記あり

カリカリ梅 |祖母とつながる※追記あり

カリカリ梅の思い出

福島の祖母の家に行くといつも居間のテーブルに梅干しやカリカリ梅があった。
特に兄がカリカリ梅が大好きで、ばくばくたべていると祖母は「うまいだろ?」と嬉しそうに笑っていた。
その顔を見て母も笑っていたし、わたしもうれしい気持ちになっていた。
幼いころの夏休み恒例の思い出である。

初めてのカリカリ梅づくり

やっと暮らしが安定してきた今年、わたしは初めてカリカリ梅を漬けることに

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干し柿2022| 干し終えて

干し柿2022| 干し終えて

手仕事には自然と会話するような尊さがある。

今季3回目を迎えた柿を干すこと。
ただ吊るして終わりではなくて、空と風、柿の今と未来をみながら、

柿に
このまま干していていいか?
もう揉んでもいいか?
ひっくり返すか?
おいしい頃か?
湿気は多くないか?
引き上げていいか? を訊く。

自分の頭だけで判断するのとは違くて、これはもう、干し柿や自然とのコールアンドレスポンスのような作業だ。
人が腕を

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干し柿2022 | 暮らしの神事

干し柿2022 | 暮らしの神事

庭の渋柿が採らずに熟れて落ちて無駄になってしまうのはもったいないから、採って干して、干し柿にする。
自然が育ててくれた物を無駄にしないで、人が生きるために活かしきろうとする干し柿づくりが、わたしは好きだ。

今から25年以上前のこと。
父方の祖母は、福島の元農家で稲作をやめた後も安達太良山を観(のぞむ)よく風の通る田畑に自家用の野菜を植えていた。
そこで育った芋や白菜と一緒にダンボールの隅の方に新

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🧹 赤紫蘇のまほう

🧹 赤紫蘇のまほう

山を歩くと赤紫蘇があちらこちらに生えていて、においを嗅ぐと「あぁ、やっぱり赤紫蘇だ」とすぐに分かるからうれしくなる。

今年もたくさん赤紫蘇が出てきた。
誰かの山からいただくのは気がひけるので、スーパーで買う。これが住んでいる土地の山や畑から採ることができたら最高。

この赤い葉を煮出して色を抜き、染めたり、シロップにしようと思った人すごい。
保存しておむすび巻いてもおいしい。

つくりかた

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