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そんな感情でいっぱいになるよ。

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 夜雨が降っている。
 掃き出し窓を開け、布団に胡座をかく。
「『憎い相手のことを考えてる時間が無駄だよ。もっと楽しいこと考えよ』って、両親とか、教師とか、大人はそんなこと言うけど、そんなの無理だよ。憎かったら憎いし、嫌いだったら嫌いだし、身体の中……そんな感情でいっぱいになるよ」
「当たり前だ」
 ベランダに立つ、覆面を被った男が口を開いた。
「憎かったら殺せよ。気が済むまでそいつ等を傷付けろ。奴等に教えてやるんだ。どちらが強いのか。どちらが正しいのか」
 覆面の男の言葉が、身体に不思議な力を与えた。
「不快なものを全てぶっ壊せ」

夜の街へ、作品のネタを集めに行く為の費用に出来ればと思います。