新社会人・新入社員の方々が、晴れて社会デビューする季節。

もしも、新社会人だったころの自分に、たった一冊だけすすめるとしたら？を考えてみました。

それは、『となりの億万長者』です。

ちょっと俗っぽいですが、お金の知識は社会人のベースといえるもの。

そして、この本のすごいところは、20年間をかけてつくられた「分析レポート」だということ！

じっさいに500人以上の億万長者と、11,000人以上の高収入者に対するインタビューとアンケートを実施し、それをもとに製作。

ありとあらゆる成功本が世にあふれるなか、それらとは別格の存在感をはなっています。

ファクトベースで書かれているため、『となりの億万長者』は、より「現実」に即しているといえます。

しかも驚きなのが、億万長者のほとんどは、ありふれた職業と家庭をもつ「普通の人々」という事実！

アメリカの本ですが、アメリカ人らしからぬ（？）、とても「堅実な生き方」を教えてくれます。

今回は、そんな『となりの億万長者』の要点を、簡単にまとめてみます。

1. 自力で財産を築く

億万長者のほとんどは、男女問わず、自力で財産を築いた。

億万長者の半分近くは、自分で稼いで学費を払うか、自分で学生ローンを返済している。

2. 蓄財の目的は「自由でいたい」から

億万長者は、お金の心配から解放されるために蓄財に励んだ。

自分で自分の面倒を見ること。

そして、子どもの学費や、親の介護費用といったライフイベントの出費に、いちいち落ち込まないですむためにお金持ちを目指した。

3. 収入以上にお金を使わない

億万長者への王道は、倹約。

億万長者たちは、支出を減らし、収入以下の暮らしをしている。

そうすれば、財産が減ることは一度もない。

4. 収入が増えても生活水準を上げない

具体的には？
・別荘は無用
・高級住宅街に住まない
・維持費がかかる広い家には済まない
・自動車はトヨタ（故障しないから）
・時計はセイコー
・ブランド物の服は買わない
・スーツは400ドルまで
・靴は150ドルまで
・高級レストランでは食事しない
・趣味も、お金のかかることはしない

5. 収入と蓄財は比例しない

「低収入・蓄財上手」と「高収入・蓄財下手」が存在。

高学歴・高収入の医師や弁護士、大手企業のエリート社員は、意外と「高収入・蓄財下手」タイプ。

クライアントや仲間にステイタスをしめすために、服装や持ち物、車や家に威を張らなければならないから。

じつはブルーカラーで低学歴なほうが、虚栄のためにお金を使わないので、億万長者になりやすい。

6. どんな親のもとで育つかは関係ない

「堅実な親」と「ダメ親」のどちらに育てられても、億万長者になることができる。

「堅実な親」に育てられた億万長者は、働いてお金を得ることの尊さと、お金の扱い方を教わる。

「ダメ親」に育てられた億万長者は、親を反面教師として、お金の扱い方を独学で学んだ。

子どもの学費も出せないダメ親に見切りをつけ、高校の時から独立の準備をした億万長者は女性に多い。

浪費家の父に翻弄される無力な母を見て育ったので、経済的に自立した女性になることをめざした。

7. 初婚相手と添い遂げる（半分以上）

「ロマンス」や「波乱万丈」はお金がかかる。

離婚すると発生するのが、慰謝料、財産分与、転居費。

そして、離婚に関わるストレスで必要になる、カウンセリング費。

平凡な人生がもっとも経済的であり、浪費家の夫や妻とは、すぐに縁を切る。

8. ある程度蓄財したら、税金を最小限に抑える

勤勉に働き、いくら高収入になっても、結局は所得税によって奪われる。

なので、ある程度蓄財することができたら、税金をかけられないように財産を変更。

そのための勉強は決して他人に任せない。

自主的に勉強をおこない、証券会社の口車には断固として乗らない。

まとめ

原著の出版は1998年。

26年も前の本です。

それでも、この本に書かれている方法は誰でも実行でき、現在でも有効といえるでしょう。

そして、億万長者を目指さなくても、億万長者になれなくても、この本には価値があると思います。

それは、ときどきでも本書の内容を思い出すことで、お金に不自由しない人たちの「現実」に触れることができるから。

この本は、「平凡」であることの大切さを思い出させてくれる、お守りのようなものといえます。