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採用面接における面接官同士や対経営陣との評価軸のズレ問題について

明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いいたします。
早いもので2022年にサービスをリリースし、遂にリリース年が終わり次の年となりました。
昨年はリリースから多くのお問合せを頂き、立ち上げフェーズでバタバタとしながらも色々なご縁を紡ぎ出せたかなと思っております。

今年はより多くのご縁を生み出す為に尽力しいきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

という事で、本年最初の記事は「評価基準のズレ」を記載してみたいと思います。

なぜこのテーマで記事を書こうと考えたか

そもそもなぜこのテーマか。(しかも新年一発目に・・)
結論、このズレにより企業・候補者・エージェントの3者にネガティブな感情が生まれてしまう。ここを改善する事でスピード・質共に3者にとってより良い採用が実現できると考えたからです。(新年一発目に対しての回答がなくすいません。)

候補者の選考プロセスにおいて、選考官同士もしくは選考官と経営陣の評価基準のズレが発生する事でミスマッチとなり選考終了となるケースが稀に発生します。
この評価基準のズレという問題自体は、エージェントという立場としてではなく、人事という立場でもよく起こり得る事象かなと思いますが、時折単純なミスマッチではなく、選考としての機会損失になっている場合も多く問題だなと感じている次第です。(企業側はGOとなったのに候補者側が選考プロセス等に不信感を持ってしまうケースなど)これらのミスマッチを可能な限り少なくする事で、3者にとって適切な選考となり、CX(Candidate Experience:候補者体験)が向上する事で、より効率的な採用が出来るのではないかと考えています。

そもそもなぜ評価軸のズレは起こるのか?

では、そもそもなぜこの評価軸のズレが発生してしまうのでしょうか。

  1. そもそも採用要件が精緻になっていない

  2. 評価軸についてのディスカッションが出来てない

  3. 評価軸を言語化し共通情報として管理、運用されていない

この3つが大きな要因ではないかと思っています。
詳しく見ていきましょう。

1. そもそも採用要件について精緻になっていない

これは基本中の基本ですね。以外と多いなと感じますが採用要件をヒアリングしていると、まだ求人票ができていない。であったり、過去の求人票を使いまわしていたりするケースを多くみかけます。

もちろん効率化という意味であれば最低限の要件だけ揃えられれば後は面接で。となるかもしれません。
但し、特に経営陣と人事メンバーなどの間で評価基準が異なる場合は、この要件定義が精緻に行われていないという事が多く発生しているのではないかと思います。

要件定義を深ぼるとそれだけで1記事になってしまうと思いますので割愛しますが、要件定義の中でも人物面、ソフトスキルの要件定義をしっかりと行う事が重要だと思います。

エンジニアの採用経験が◯年以上ある。人事制度の新規作成を行った事がある。などの業務に紐づくスキルセットの要件は比較的イージーに定義できると思いますが、一方でソフトスキルや具体的な人物像はこのように期待する役割から経験・能力を分解しただけでは出てこない部分になるかと思います。

例えばエンジニア採用の経験者というハードスキルの項目に対して、ソフトスキルでいうと、営業スタイルでゴリゴリ数値達成を目的に自走するリクルーターなのか、物静かで冷静沈着タイプの方でエンジニアとの密なやり取りを武器にテッキーな施策からハイエンドなエンジニアにアプローチする人。などその方の特性によって全く異なるアプローチをする人物像が見えていきます。
ここを言語化する。という事が一番のポイントになると思います。

言語化する方法は職種関係なく、社内のハイパフォーマーの特性を見るのが一番シンプルかと思います。自社にはどのようなカルチャーがあり、どういった思考性・考え方の人が活躍しているか。これを意識的に言語していきましょう。
また、人事というポジションは1on1などを通じて社内全員とコミュニュケーションを取る場合もあると思います。その場合は社内にはどんな人が多く、どんなコミュニュケーションを取る事が求められるか。どういった方であればこの環境でワークするか。といった部分を言語化する事もいいと思います。

最終的には面接で見極める事になりますが、面接官のスキルに依存させずに会社として採用する方に責任を持つ為にも、具体的にどんなソフトスキルがある方なのか。という部分をしっかりと定義するようにしましょう。

2. 評価軸についてのディスカッションが行えていない

上記のようにソフトスキル、人物像の要件定義をしっかりと行った後の話です。
ここでのポイントは「評価軸の策定」「ディスカッション」の2つになります。

特にスタートアップ系の企業には、アジャイル的にスピーディーに動かす。という視点から、要件定義ができたらすぐに採用を進めていく。というスタイルで動かれている企業も多いと思います。これもOKだと思います。ですが、結局はしっかりと定義できていないと、選考が走り始めた上で定める為、労力が増え、且つ選考が進んでいる分候補者やエージェントにも混乱を生んでしまう原因になってしまいます。

評価軸の策定については、1で整理した要件定義をベースに、どのような評価軸で評価を行うと、適切な方達を見極める事ができるかどうかの評価の軸となるような観点を洗い出しておく事になります。(マンマですね。すいません。)
この際には、上記と同じくハードスキルの軸だけではなく、ソフトスキルを見極める為の軸をしっかりと定義しましょう。
例えば上記に記載したような営業マインドを持ったリクルータの方を採用するのだとしたら、「数値に対してのコミットメントの強さ」などが評価軸になると思います。また一方で質の高い採用を担って頂く為にはどれくらいのインプットをしているかを重要視すると定義できれば、加えて「直近インプットした情報についての納得度」みたいなのが評価軸に入ってくるかもしれません。

このように軸となる項目を全て洗い出す事(もちろん数は絞りながら)で、採用基準としてズレない軸に昇華していくのではないかと思っています。

また、評価軸は運用がとても大切で、面接官がこれ以外の観点でのフィードバックや意思決定をしないように全ての判断基準をこの軸をベースとしたものであるような運用を心がけるべきかと思います。

また、次に「ディスカッション」についてですが、上記のような軸を定める際に誰を巻き込んで精緻化していくか。というところにフォーカスを当てます。
この時巻き込むのは現場のメンバーやマネージャーだけではなく、可能な限り面接官として入る方全てを対象にしてディスカッションを行いましょう。
もちろん最終面接等を担う経営陣も同様です。

ここを巻き込まずに評価軸を策定すると、最後に鶴の一声で全てが変わったとなってしまい、人事・候補者共に嫌なExperienceを得る事になります。

今一度自社の採用ポジションの評価基準について、具体的な部分まで経営陣含めたキーマンとなる方々とすり合わせができているか。確認して頂くとよいのかなと思います。

3. 評価軸を言語化し共通情報として管理、運用されていない

最後に言語化された評価軸の管理と運用についてです。
ここまで読んで頂いた方の中には「いや、わかってるけどリソース的にできないのよ。」というお気持ちを持っている方もいるかもしれません。仰る通りで上記を全て完璧に整備してから採用活動を行いましょう。という事ではありません。
だからこそこの評価軸の管理と運用が大切だと思っています。

評価軸は実際にターゲットとする方と面接などを繰り返していく事によって、あれ、やっぱりこのターゲットではないのではないか。などとブラッシュアップしていく事が必要です。
その際には、是非共有化された評価軸資料に書き込みながら軸をブラッシュアップするようにしましょう。

人は本当になにを求めているのか。は分からないものです。
経営陣含め、具体的にはどんな人が欲しいのか。面接等のフィードバックをベースに解像度を上げていく事で少しづつ◯◯な人が欲しい。という本質的な評価基準に行き着くのではないかと思います。

エントリー数はあるけど、なかなか採用決定が決まらないポジションなどについては面接フィードバック情報などを用いて、不採用者などのフィードバックを分析しながら見直して行くと、より具体的にどういったポイントで選考を終了しているのか。などを理解しアップデートする事ができるようになると思います。

番外編

番外編としてプラスαの評価軸を揃える為のTipsをご紹介できればと思います。

① エージェントを巻き込む

どうしても社内でしっかりとしてディスカッションができない場合などはエージェントさんを巻き込むとよいでしょう。
エージェントは数々の企業様から色々な評価軸や選考基準をヒアリングしています。他社との比較という意味でも外部からの意見を取り入れより精緻に定義ができると思います。
また、会話を通じてエージェントに詳細な評価基準が伝わる。というのもメリットかと思います。

また、経営陣と会話をするとどうしても言いくるめられてしまう。みたいなタイミンングでもエージェントを巻き込む事は効果的だと思います。

② フィードバックの仕組みに取り入れ運用を定型化する

最近ではATSなどの進化により、ATSの機能などで実施している企業様も多いと思います。
これらの機能活用などを用いてしっかりと評価軸によるフィードバックを仕組み化するのも一つだと思います。

この評価軸以外での評価が下されていたりする場合はデータを基に会話を行い評価軸を整理するようにしましょう。


評価軸の策定は、会社 / ポジション毎など分類していくとキリがなく、最初はおっくうに感じる事も少なくないと思います。
が、自社にとってのどのような方がいたら活躍するか。◯◯っぽい人という定性的なところを言語化する事は今後は会社が採用をしていく上で資産として積み上がっていくものだと思っています。

具体的に評価軸が定められない理由などは各社様によって異なると思うので、あくまで一つの方法論としての内容になりますが、少しでも参考になれば幸いです。
より具体的な評価軸の整備や採用についてのご相談は是非以下よりお気軽にご連絡頂けましたら幸いです。