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採用するなら、自社に合う人の要件定義から始めよう【採用の基本のキ②】

『高学歴の優秀層と出会えない』

近年、採用の現場では担当者から
よく相談を受けることがあります。

求人メディアを使わなくなったから?
採用の早期選考が原因?

色々と言われていますよね。

私はこれに対して
優秀層とは具体的にどのような人ですか?』
とお聞きするようにしています。

すると地頭の良さと言ってみたり、
コミュニケーションスキルといった
ありきたりな解答が返ってきます。

求める人物像はどうして決めたらよいのか?
どうしたら求める人材に出会えるのか?

こうした悩みを抱える企業は非常に多いです。

採用ではまず最初に
「要件定義」から始めることを
きちんと理解しているでしょうか?

『どの部署で何人不足しているかでしょ?』
『求人票にある求める人物像だよね?』
そう思っている方にはぜひ読んで欲しい。

断言します!
大多数の企業の要件定義が曖昧なのです。

なぜ、曖昧だというのか?
その理由をご説明したいと思います。



1.よくある失敗から学ぼう


まず、採用において
行き当たりばったりで実施したばかりに
失敗した事例をご紹介します。

よくある失敗①
選考時と勤務時に必要な基準が一致しない

これは現場からよく聞く話です。

採用時はSPI等、能力面や性格面の診断をしたり、
面接で志望動機等を聞いてポテンシャルを
測ったりしますよね?

採用選考で求められる要素は、
基礎学力や論理的思考など、頭の良い人が
採用され易い傾向にあります。

一方で、現場ではどうでしょうか?
コミュニケーションスキルは勿論必要だと
思いますが、それ以上に素直さや忍耐力が
必要だったりしますよね?

また、体力面は中々測定して
採用しませんから現場では通用しない
頭でっかちな人材を採用することは
よくあることなのです。

これでは現場としては
求める人材とは違う人を採用したと
不満を持ってしまいます。

よくある間違い②
自社の社風に合わない人材を採用する

どの企業にも働く人のカラーが存在します。

例えば、
明るく誰とでも仲良くなれる人が多いとか
特定の分野に特化したプロ集団など

お客様や協力会社から関心されるような話は
自社では気付かない魅力となります。

そうした人が集まって会社は成り立ち
この価値観が社風なのです。

主に中途採用において発生し易いのですが、
社会人経験がある程度長い人材を採用した時
自社の社風に合わない人材を採用してしまう
場合がどうしてもあります。

客観的な視点で自社はどういう会社で
何が能力として求められて
どのような価値観で仕事をしているのか?

きちんと言語化で出来ていないと
選考の過程で行き違いが発生するのです。


2.求める人材はどう定義するか?


では次に、
採用のゴールとは何か分かりますか?

決められた人数を採用することですか?
高学歴の人を多く採用することですか?
それとも
国家資格を持っている人でしょうか?

いいえ、すべて違います。
本当に大切なことは採用した人が
自社で活躍してくれることなのです。

こうした人材とは何か?定義することを
採用の『要件定義』と呼びます。

この要件定義は一般的に
以下の2つのアプローチがあります。

【要件定義のアプローチ方法】
①現在活躍している人材から決める
②未来に求める理想人材を定義する

最も一般的な方法として
ジョブディスクリプションを定義する
のが一番分かり易いと思います。

これは日本語で「職務定義書」と呼び
特定の職種で求められる能力や
権限、責任の範囲、具体的な指針等
細かく設定されているものを指します。

これを満たす人を採用すれば良いのですが
もう一つ注意することがあります。

【要件定義の条件設定】
採用時に必須となる条件
②あれば良いが育成で獲得するもの

に分かれます。

採用の世界ではMUSTWANTと呼ばれ、
例えば営業担当に必須と言われがちな
コミュニケーションスキルは
具体的に掘り下げると複数あります。

所謂、愛想の良い、人から好かれる話術
といったスキルではないとする企業も
最近では増えてきています。

例えば、ある営業会社では以下の内容が
MUST条件であり、その能力を審査して
採用するか否かを決めています。

・傾聴力
・誠実さ、嘘をつかない
・事実と数値に基づいた説明能力

つまり、話術と勢いで
その場限りの営業をするのではなく、
顧客と信頼関係が気付ける人が必須条件
言い換えると分かり易いと思います。

昔の忍耐力が求められる営業会社であれば
体力と元気、ハキハキした声があれば良い
といった条件が今でも残っていたら
それは危険信号なのかもしれません。

あなたの会社では
要件定義に曖昧な所はないでしょうか?


3.理想の人材はどこへ行った?


ここからは
求める人材にはどうやったら出会えるか?
ここを掘り下げて考えていきます。

先程、私は
自社で活躍できる人材で、かつ
採用時に必須となる条件を満たす人
と定義しました。

彼ら、彼女らは
一体どうしたら出会えるのでしょうか?
あなたもぜひ考えてみてください。

方法はいくつかあります。

ただ、まず知っておいて頂きたいのは、
採用人数が多い大企業の動きです。

彼らは資本力を活かして、求人メディア
スカウトメールを一定の条件を満たした
マスへ投下する方法が一般的です。

また、近年では
オウンドメディアリクルーティング
主流となり、自社メディアからの流入を
図るために様々なイベントを開催します。

また、スカウトメールでピンポイントに
釣り上げた求職者に対して、
リクルーターカジュアル面談を実施、
そこで口説いて選考やイベントへ誘う
といった手法が増えてきました。

当然、高学歴な自社の要件を満たす層へ
条件面の良さを最大限PRして求職者へ
より良い採用体験をして頂ける様に
配慮して選考を行っていきます。

しかも、
経団連の規制廃止などの流れを受けて、
早期化がより進み、新卒一括採用から
通年採用へシフトする企業も
今後はより一層増えてくることでしょう。

そうなると中小企業では
『高学歴の優秀層と出会えない』
といった現象に映ってみえるのです。


4.求める人材の獲得方法


最後に、中小企業が
求める人材を獲得する方法について
解説していきたいと思います。

予め言っておきますが、
絶対にこれが答えと正解はありませんし
あるなら私が知りたいくらいです。

それでも現在取り得る方法の中で
最良のものをいくつか提案していきたい
そのように考えております。

方法①
新卒採用よりも第二新卒を狙え!

これはオーソドックスな発想で
まず新卒採用では求人メディアに
高額を支払って掲載しても応募自体が
減少して困っていることでしょう。

やっても意味がないと言っていません。
コストと成果が見合わないので
避けた方が良いと言っているのです。

第二新卒であれば、
競合他社が少なくなりますし、
中途採用と同じく通年でじっくり臨める
という点も良いのではないでしょうか?

あとは、新卒入社した企業に
耐えられずに辞めた人を雇いたくない

という偏見を捨てられるか否かです。

方法②
積極的にSNSを使って発信をせよ

大企業が人気の理由は
本当に安定しているからではありません。

見かけの数値が良いから
安心したように錯覚しているだけです。

以前にお話したことがありますが、
VUCAの時代、学生はみんな不安なのです。

あなたの会社で働くと
従業員たちはどんな安心感、やりがいを
感じて仕事をしていますか?

様々な角度からエンタメ要素を取り入れて
可能であれば社長が自ら広告塔になること
が望ましいと思います。

学生も社会人も
あなたの会社のことを知らないんです。

知らない会社は不安に感じますし、
不安に感じたら誰も応募はしてくれません。

特に応募が来なくて困っている会社は
自社の現実を直視することから
始めないといけません。

方法③
スカウトメールに社長の想いを込めよ

大抵の企業でSNSに出てくるような社長は
やりがいのある仕事と綺麗なオフィスを
自慢するかのように見せつけてきます。

そういった表面的なことで
集まってくる求職者もいますが、
みんな仕事にするために来るのですから
職場と仕事内容が商品なのです。

だから、
どんな職場でどんな仕事をしているのか?
一緒に働く仲間はどんな人たちで
みんなで何を目指して頑張っているのか?

誰のための、何の会社なのか?

これをしっかり記載してください。

求職者の一人一人に手間であっても
プロフィールに目を通した方が良いです。

一体、どのような理由で
求職者の力を必要としているのか?
そこを明確に伝えるのです。

そして、いきなり選考ではなく、
まずはカジュアル面談をさせて欲しい
そういって会う所から始めましょう。

あとはしっかり口説いてから
選考へ進んでもらうようにしましょう。
このステップがミスマッチを防ぐ役割
も果たしてくれるのです。


さて、今回の話は如何だったでしょうか?

次回は具体的な選考プロセスについて
ご説明していきたいと思います。

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