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【風(おと)と官能】第6回 布施砂丘彦さんとの対談 「ムウシケのいる森に想いを馳せる」 (無料で全文読めます)
今回は、来る8月12・13日に北千住BUoYにて自主企画演奏会「忘れちまったかなしみに」を控えている布施砂丘彦さんとのカフェトークをお届けします。コントラバス奏者であり、同時に演奏会の企画制作や音楽評論家など幅広い活動をされている布施さん。音楽と向き合う中で日々感じていることや、布施さん流「作品づくりの秘密」など、アルコール片手に雑談形式でお話していただきました。 私が布施砂丘彦さんというお名前を初めて知ったのは2021年のこと、布施さんが第7回柴田南雄音楽評論賞奨励賞(ち
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風(おと)と官能 【第4回】ある音楽体験。 IMPOSSIBLE ENSEMBLE!誰かこれを合奏できる方法知りませんか?
インポッシブル・アンサンブルとは? 忘れられない展覧会がある。 2019年に新潟市美術館で観た「インポッシブル・アーキテクチャ ~もうひとつの建築史~」つまり、なんらかの理由で実現できなかった建築だけを集めた展覧会だ。夢想で終わったもの、コンペ落ち、建築不可能なもの、建築界へのカウンターとして提案されたもの。そして社会的・経済的な要因で実現に至らなかったもの。ザハ・ハディドの国立競技場はまさにそれだ。けれど単に実現に至らなかったからといって、それが「よくなかったからだ」とい
市役所小説『お客さま、そんな部署はございません』【最終回・後編】お客さま、あなたは神様ではありません。ですが神様よりも大切な人です。
これは少し前のこと。私が働いていた場所での出来事と雑感を「セミ・フィクション(ゆるやかな事実)」的にまとめたお仕事小説ですーー 今回は、最終回の後編です。 今まで読んでくださった方、本当にありがとうございました(涙) ↓ ↓ ↓ 最終回・前編はコチラ ↓ ↓ ↓ 「係長、今ちょっとお話できますか」 その日の勤務を終えた私たちは、総務課の給湯コーナーにいる係長を呼び止めた。 最後の凍え死にそうな冬を乗り切り(コロナのファンヒーターが命をくいとめてくれた!)春めいた空気になっ
市役所小説『お客さま、そんな部署はございません』【最終回・前編】お客さま、あなたは神様ではありません。ですが神様よりも大切な人です。
これは少し前のこと。私が働いていた場所での出来事と雑感を「セミ・フィクション(ゆるやかな事実)」的にまとめた、お仕事小説です。 毎週日曜日夜9時に更新。ついに最終回となりました。 あの日々のほとんど大半を、私は水の中で溺れるようにして過ごしてきた。水・・・それは言葉にできない感情といってもいいかもしれない。そのせいで、自分の呼吸はできず、新鮮な空気も取り込めず、肺に貯めた空気はどんどん吐き出されて枯渇していった。4年も経つ頃には、もはやエネルギー残量はほとんどなかった。