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退職&留学という決断と葛藤

こんにちは。ヒロです。

社会人としての身分を捨て、単身バンクーバーでの生活を始めてから早1年と2ヶ月が過ぎました。今回は留学するという決断を下した当時の心情と、留学生活も終盤に差し掛かり、海外生活にもすっかり慣れてマンネリ化した日常を過ごしている今の心情についてお話しようと思います。

何故退職して留学するという決断をしたか

留学前の悩み

留学前、社会人4年目で25歳の私は民間企業に営業職として勤めていました。20代も後半に差し掛かり、何も考えさせられることのなかった学生時代とは違って社会での自分の立ち位置や身の丈を理解し始め、自分の将来がなんとなく想像できてしまうような、そしてその想像上の将来とは違う場所に行きたいと感じるような心情を抱えた状態で、供給が止まらず目の前から消えることのない仕事を片付けながら時間を消化していました。

今思えば、当時の私はいわゆる『アイデンティティークライシス』に悩まされていたのです。いつかあそこに立ちたいと思っていた甲子園のグラウンドでは自分より一回り歳下の若い才能たちが華々しく活躍しており、何か面白いものはないかとテレビ番組をつければ同世代のスターたちが当然のように声援を浴びて立っている。自分もそれなりの生活はできているけど、他人に対して堂々と披露できるような武器も実績もない。会社から自分が居なくなっても、そこら辺の人が難なく穴を埋めてしまうだろう。月並みな表現ですが、25年の時間を費やしながら未だ何者にもなれていない自分に失望していたのです。

自己喪失の対処法

私がどのように『アイデンティティークライシス』と向き合ったかについてですが、主に以下の二つを意識しながら生活するようにしました。

  • 何か一つのことに没頭してみる。

  • 他人との比較を止め、過去の自分と比較するようにする。

まず没頭できるものを作るという施策ですが、これは趣味でも勉強でも何でもいいと思います。私にとってはそれが英語の勉強でした。昔から洋画が好きだった私は、演者の台詞を翻訳者のフィルターを通してでしか理解できないことに嫌気が差し、台詞そのままの意味やニュアンスを理解したいと思い英語の勉強を始めました。

二つ目の施策について、私は昨日の自分と今日の自分を比較して成長を感じることで自己喪失を克服していました。英語の勉強を例として考えると、その日に英単語を1つ覚えるだけでも昨日の自分より着実に成長している訳です。その小さな成長の積み重ねが後々自分の武器になると考えて毎日努力を続けました。その間に他人と比較してしまうと、同じく日々成長している他人との競争やその勝ち負けから意識を逸らすことができなくなり、自分に対しての無力感を拭うことが難しくなるので、できるだけ自分の成長だけに意識を向けることが重要です。嫌でも周りの情報が入ってくるSNSが普及している現代において、この施策を実行することは少し困難かもしれませんが、非常に有効な手段であると思います。

習慣から目標へ

上記のような習慣を身につけて生活しているうちに、もっと英語力を身につけて将来のキャリアに活かしたいと思うようになり、またキャリアの向上という観点からビジネスマネジメントの修学にも興味を持つようになりました。結果、カナダのカレッジでビジネスマネジメントを学ぶために留学するという決断を下しました。自己喪失が最終的に新しい自己の探究へと形を変えたのです。

海外生活に慣れた今感じること

決断は正解だった

実際に現地でビジネスマネジメントを学び、多くの人に出会い、様々な時間を過ごして感じたこと。それはこの決断をして正解だったということです。

英語力は渡航前と比べて格段に向上したと感じますし、ビジネスマネジメントの学習内容から将来のキャリアパスも具体的になりました。また内面的な話をすれば、今の自分はかつて陥っていた『自分が何者でもないことを嘆いている状態』を完全に脱しており、『武器を手にした状態で自分が何者かになりつつある状態』に移行しています。他人との比較をやめて自分の小さな成長に意識を向け続けた結果、その小さな成長が積み重なり実際に社会で戦える武器となったのです。

海外生活のマンネリ化について

片付けた側からまた供給される仕事のように、人生において悩みも尽きないものです。そして悪い癖とは中々治らないもので、私はまた比較をすることで苦悩してしまっていました。その比較対象は、日本での生活と海外での生活です。

日本での生活同様、海外生活も一長一短です。日々を過ごす中でその国特有の長所を感じることもあれば、その身が思いがけずに悪い部分に曝されることもあります。ここ数ヶ月の私は、その一つ一つを吟味してどちらの国で生活を送るべきか試行錯誤している状態にいました。元々、12月か来年1月頃で留学生活を終えて帰国する予定だったのですが、現時点で自分の中での留学の目的を達成しているため、カナダの悪い点に触れる度に、予定よりも早く帰国してその期間を日本で違うことに活用すべきかどうか悩んでいたのです。

この悩みの原因は、海外生活にすっかり慣れてマンネリ化してしまったことにも起因すると考えています。ただ私はこのマンネリ化を悪いことだとは考えていません。何故なら、マンネリというのは経験や知識の習得の表れでもあるからです。時間の経過と共にカナダという国のことや海外で生活するということについて知識や経験を積み、その結果日本での生活とフラットな視点で比較してどちらかを選択できるようになるまで成長したという事実には変わりがありません。

視点が変われば新しいものが視界に入る

実を言うと、昔は全く海外に興味がなく、自分が海外に興味を持つとさえ思っていませんでした。しかし、ライフステージの変化と共に自分の物事に対する視点も変わっていき、その結果、自分を取り巻く環境は昔は全く想像もしていなかったものばかりで構成されることになりました。

今の自分についても全く同じことが当てはまると言えます。様々なことを経験したことで海外生活に対して見る角度が変わった今、これからの自分の視界には今まで視界の外にあった想像もしていなかったものが入り込んでくるはずです。そしてまた想像もしていなかったことに没頭し、その経験が将来何者かである自分を形作っていくことでしょう。

まとめ

試行錯誤の結果、カナダで残り5ヶ月ほど過ごすよりも、その5ヶ月間を日本での生活基盤を整えるために使った方が良いという結論になり、私は予定より早く帰国するという選択をしました。

今の私はかつての『アイデンティティークライシス』に悩んでいた頃の面影はなく、新しい目標に向かって充実した日々を過ごしています。そして留学後はあまり自分と他人を比較していないことにも気が付きました。これは間違いなく自分がやりたいことに没頭していて意識が自分の成長に向いていた結果です。これからも視野を広く保ちつつ、かつ想像の外側にあるものまで見えるよう視点を変えながら、様々なことに没頭して生活していきたいと考えています。

今後ともよろしくお願い致します。

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