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自然のわくわくを体感するための道具2選「センス・オブ・ワンダー」感想・書評

引き取った姪の息子との体験

「センス・オブ・ワンダー」とは、「沈黙の春」で有名なレイチェル・カーソンによって執筆されました。

本書は、レイチェル・カーソンの遺稿のようなものです。本文に入る前の冒頭には、このようなことが書かれています。

レイチェル・カーソンはこの『センス・オブ・ワンダー』をさらにふくらませたいと考えていた。しかし、それを成し遂げる前に、彼女の生命の灯火は燃え尽きてしまった。生前、彼女がねがっていたように、この本をロジャーにおくる

レイチェル・カーソン「センス・オブ・ワンダー」

ロジャーとは、5歳の時に母親を病気で失い、レイチェル・カーソンに引き取られた、姪の息子です。
本書は、このロジャーとレイチェルが、海辺や森で遊んだときのことをベースにして、語られています。

センス・オブ・ワンダーとは

ではまず、タイトルにある、「センス・オブ・ワンダー」とは何なのでしょうか。
(ちなみに、「センス・オブ・ワンダーがあるかどうかが、SFかどうかの定義だ」みたいな議論もあったりします。)

もしもわたしが、すべての子供の成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見張る感性」を授けてほしいとたのむでしょう。

「センス・オブ・ワンダー」p.33~35

センス・オブ・ワンダーとは、
「神秘さや不思議さに目を見張る感性」。
その前に書かれている「生涯消えることのない」という部分も重要でしょう。

子供から成長し、大人になった私たちは、はたして、自然に「センス・オブ・ワンダー」を持っているのか持ち続けているのか。
危ういところがあると思います。

センス・オブ・ワンダーを持った人が、近くに一人いるかどうか

子供のことを考えたときに、センス・オブ・ワンダーを持っていないことに無責任であるわけにはいきません。

レイチェル・カーソンは、以下のように警鐘をならしています。

妖精の力にたよらないで、生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。

「センス・オブ・ワンダー」p.35

買い揃えるべき2つのアイテム

センス・オブ・ワンダーを持つのに、志のようなものが、まず大事であることは想像に難くありません。
しかし、レイチェル・カーソンは、より実用的かつ具体的に、ある2つの物を使うことを提案してくれています。

上等な虫めがね

まずひとつめが、虫めがねです。

いますこしの出費をおしまないで上等な虫眼鏡を買えば、新しい世界がひらけてきます。ありふれたつまらないものだと思っていたものでも、子どもといっしょに虫めがねでのぞいてみましょう。

「センス・オブ・ワンダー」p.48

木や花、宝石やビーズなどの普段から見慣れているものに、虫めがねを向けてみましょう。
レイチェル・カーソンは、そうすることで、「人間サイズの尺度の枠から解き放たれていく」と言います。

手ごろな値段の役に立つ図鑑

名前を覚えることそのものに、あまり価値を見いだすべきではないと述べつつも、レイチェル・カーソンは以下のように語っています。

もちろん、興味をそそるものの名前を知っていると、都合がよいことは確かです。しかし、それはべつの問題です。手ごろな値段の役に立つ図鑑などを、親がすこし気をつけて選んで買ってくることで、容易に解決できることなのですから。

「センス・オブ・ワンダー」p.65

すぐ読みきれる分量

本書はページ数が少なく、75ページまでしかありませんでした。写真が本文の間に、何枚も挟まっているので、実際には、もっと少ない分量です。
一日で確実に読み切れて、なおかつ示唆に富む内容だと感じました。

ジェームス・W・ヤング「アイデアのつくり方」も62ページしかなく、「60分で読めるけれど、一生あなたを離さない本」というキャッチコピーがついています。
レイチェル・カーソンが書いた本書も、同じような感じがしました。
気軽に読めるので、結構良いと思います。


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