やめるだけで一気にあなたの信頼度が上がること

事前の「言い訳」をしないことが一番

何だかハウツー本みたいなタイトルですが、私はハウツー本がうさん臭く聞こえて嫌いなタチです。

すみません、本題に入ります。

私はスポーツに携わっていた期間が長かったので、スポーツを例に挙げながら説明を展開します。

私が目の当たりにするたびに、むずがゆい気持ちになったことがあります。それは試合前に、実に多くの人が「言い訳」をしていたことです。

「実は足を怪我している」
「今日は体調がよくない」
「就活であまり練習してない」

挑む前から負けたときの言い訳になるように予防線を張るのです。まるで、これを言っておけば周囲の人も「しょうがないね」と同情してくれるとでも思っているのだろうか。実は私も同じような行動をした経験があり、思い出すたびに情けない気持ちになります。

勝負する前から負けた自分をイメージしてる時点で、何を望んでそこに挑むのか、そして何のために取り組んできたんだろうか、それが見えてこなくなる。さらに、ここまでの時間、大した準備をしてこなかった事実を隠そうとしているように思えてしまう。

これはスポーツに限らず、仕事でも何でも同じことが言え、同じような人がいるでしょう。対象が試験や本番、交渉の日、日常的に多くの人が直面する場面です。

もし本当に勝ちたい、やり抜きたい、と思っているなら、「自分の力を尽くす」という気持ちを聞きたいです。

こんな風に掘り下げてみると、結論が行き着く先は「信用できるかどうか」になります。

みなさんなら、大事な瞬間を前にして、ベストを尽くす想いを言葉にする人と言い訳をする人、どちらが信頼できますか?

言い訳する側から考えてみると見えてくる日本の風潮

これまでは、言い訳による予防線を張る人に批判的な意見を話ました。しかし、これは本人の性格だけが原因ではないと思っています。

とてもネガティブな発言をしてしまう背景には、いろんな気持ちがあるでしょう。

「失敗が怖い」
「負けることが恥ずかしい」
「結果に落ち込むのが嫌だ」

この類の気持ちから失敗したときのダメージを和らげたいのです。「失敗の原因は、事前に言い訳した通りだから仕方ない」と納得がいくのですね。

わかりやすく考えるとこのような気持ちから、言い訳という行動に結びついているのだと思います。しかし、自分の力不足の可能性を疑うことも回避しているので、まったくお門違いな発想だと思いますが、自己防衛策として言ってしまうのでしょう。

ここでひとつの疑問が生まれます。
「なぜこんなにも多くの人がそう思うのか?」

本人の性格という原因なら、ネガティブな人もいるでしょうから納得ができます。しかし日本人にとても同じような行動をする人が多いのです。

おそらく個人のレベルを超えて、日本人の性向に関係するのだと思います。

「失敗はダメ」
「目立つことはするな」
「謙虚でいなさい」

これらが日本人の行動の奥底に植えつけられているのでしょう。「謙虚」なことは効果的に働くこともありますが、行き過ぎた謙虚は能力を頭打ちにしてしまいます。

一番の弊害「失敗はダメ」。こういう風潮が人にチャレンジをする機会と可能性を奪ってしまっています。失敗から勉強になることは計り知れません。こうして失敗を避けることで成長のチャンスを得られず、同じような人たちの中から抜きんでて「目立つ」可能性も無くなってしまうのです。

これがどの世代間にも共通認識のように蔓延してしまっていることで、特にまだ人生経験の少ない世代が勝負の時を目前にすると、言い訳という予防線で無言のプレシャーから自分を守ろうとするのだと思います。

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