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【短編】ちっちゃいおじさん、住みはじめました。(仮)

「ねぇ、いるんでしょ。出てきなよ。」

そういうと、テレビ台のすきまからごそごそという音が聞こえ、少し経ってから本当に出てきた。


ちっちゃいおっさんが。


もぞもぞと。似合わないグレーのファーなんか付けて。

あ、ほこりか。


いるような気はしていたんだけど、いる気配がするような気がしてはいたんだけど、「気がする」だけで、まさか本当にいるとは思わなくて心臓がキュッとなった。


でも、いるのを知ってるってスタンスで声かけちゃったし、びっくりしたらなんか恥ずかしい気がして、必死に驚きを隠した。気持ちが一瞬でぐるぐるってなって、その状況に腹立たしくもなった。

好奇心旺盛なねこたちは、謎の生命体に臆することなくおじさんに興味津々、なのも最初だけ。すんすん匂いを嗅ぎまくって、加齢臭がきつかったのかすぐに飽きてもう座椅子で寝ている。


なんだか雑に扱うわけにもいかず、とりあえずちぃちゃいおにぎりを作ってみた。

正座をして、手を合わせ、きれいな所作でもぐもぐと食べ始めた。

「あ、おにぎり食べるんだ。」


こうして、よくわからないちっちゃいおっさんと私たちの生活は始まった。


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先週末の夕方、旦那さんとお散歩に行ったんです。私は終始歩き、旦那さんは後半に追い込みダッシュをするので帰りはバラバラです。

だいたい先に着くのは私で、その日も私が先だろうと鍵をカチャッと回して開けようとすると、逆に閉まったんです。

あれ、ってなって。


今日は旦那さんのほうが早かったのかな、と思って入ってもやっぱりいなくて、「もしかして、誰かいる!?」って一気にめちゃくちゃ怖くなって、恐る恐る部屋を巡回してまわりました。

そのあと旦那さんが帰ってきて、一応旦那さんにも見回ってもらって、誰もいなかったんですけど。

なんかずっと誰かいるんじゃないかって頭の片隅でもやもやしていて、そしたら思いついたので初めて短編を書いてみました🤗


文章を作品にするって簡単そうで意外と高度で、きっと上手な人からしてみたら稚拙かもしれないけど、書いてみて楽しかったです。


基本的に私がいつも書いているのはノンフィクションですし、読ませていただく記事もノンフィクションが好きです。

内容の大きい小さいは関係なく、実際に体験された生の声みたいなものにとても惹かれます。むしろ、小さいところのお話、きっとさらっと読んでしまったらなんでもないようなお話みたいな、飾られたものより素朴な感じの方が息づかいがより鮮明な気がします。


でも、頭の中ではあることないこといろいろ考えちゃうタイプなので、思いつくだけじゃなくてたまーにこうやって物語にしていったら、少しだけ面白いものも出来たりして…なんて、もうすでに頭の中で妄想が始まってます笑




初めての短編、最後までお読みいただきとってもうれしいです✨いつもありがとうございます😊

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