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#5 ブラック勤めのオンナの逆襲 〜猛暑日の攻防戦 前編〜

地方は東京と違い、自然も豊か。初夏でも窓全開すれば風が通り、扇風機で充分な日も少なくはない。

そんなある日。事件は、日中の気温が30℃を超えた日におきた。

爺やは高齢者だ。高齢になると暑さ寒さが感じづらい。身体の温度調整の機能が下がり、暑くても普通の人より「暑くない」と感じてしまう。

だから、私達従業員と温度差が激しい。

困るのは、夏の猛暑日。

外はもうすぐ30℃、自然の風と扇風機だけでは間に合わない。冷風扇も一人1台購入。背中に当てるも、猛暑では意味がない。

「音野さん、気分が悪いんです」

パートさんの一人が体調不良を申し出た。実はこれで二人目だ。これを危惧していたが、その時はやってきた。

「熱中症かもしれませんね。休んでいてください」

そんなこともあろうかと、ひそかにガ◯ガリ君を用意していた。スタッフさんのために。

実は、社長の爺やは冷房が大キライ。

「長時間いたら身体がおかしくなる」

だから、夏でも扇風機と冷風扇。若手はたまったもんじゃない。でも、オーナー社長には逆らえない。みんな、辛くても我慢していた。

だけど、限界はいつか来る。私は一夏で2回、熱中症で動けなくなった。

スタッフさんには、冷房効かせた車内で休んでもらい、ガ◯ガリ君を食べてもらった。30分くらいですぐに回復。重症になる前で本当に良かった。

そこでフロアーに登場した爺や。

「◯◯さん、どうした?」

「いま、体調不良だったので【冷房の効いた】車内で休んでもらっていました。冷房の効いた車内です!熱中症ですね」

『冷房の効いた』を強調。

メチャクチャ強調してやった。

「オレは暑くないぞ。大したことねーだろ」

流石に、パワハラも度が過ぎる。従業員の健康管理も出来ないなんて言われたら、従業員も集まらない。

「外は30℃を超えています。室内は32℃まで上がります。こんな環境では仕事できませんよ」

温度計を見せても、納得しない爺や。

パートさんたちは、ビクビクハラハラ。

でも言えない。
冷房付けてとは言えないのである。

「おまえが冷房つけたいだけだろーが」

ははーん、そうか、そうきたか。
ならばやることは1つ。
爺やにわからせるしか方法はない。

そして、私が1人出勤日の日、室内温度が30℃を超えた日に【それ】を決行した。

続 ↓ ↓
https://note.com/human_poppy2175/n/n148634ae3d5e





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