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【そのペットフードは買ってはいけない!】

はじめに

一時期『買ってはいけない』という本が流行ったのを覚えているだろうか?日常的によく目にする生活必需品や食料品の中に潜む危険に警鐘を鳴らす本だったと記憶しているが、僕はあれを読んだとき、むしろそれらの「買ってはいけない」ものを避けて通る方が難しいと感じた。
情報化社会が進み過ぎている昨今において、正しい情報を得るのは難しく、ペットフードに関する情報も同じ状況にある。
タイトルにあるように「買ってはいけない!」というたぐいの発信が多く、結局誰を信じればよいか分からなくなっている飼主さんは多いのではなかろうか。

今回の記事はそんな方々のペットフード選びの一助になれば幸いだ。

結論

早速結論から言うと、「どれでもおおよそ大丈夫ですよ。」と言うのが僕の考えです。

前回の記事で書いたように、安楽殺された牛の肉はペットフードに用いられていることがあるようだ。(確かな書面等で流通路を確認したわけではなく、関係者とのお話の中で出てきたことです。)
安楽殺された牛さんの中には病気で死んでしまいそうな牛や、薬を直近で使っている牛などもいます。
「そんな人が食えないものをペットに!?」と思うだろうが、これが現実。全くもってその通り。我々は人が食えないものをペットフードにしている。しかしこれは悪いことではなく、当然のことです。
縛っている法律からそもそも違うのですから悪いことでもなんでもありません。

誤解


ただ、ここでよくある誤解を解いておきましょう。
こういった薬を使った動物を原材料にしたペットフードはペットに害を与えると考える人がいらっしゃるようだが、そんなことも無いはずだ。
そもそも人の口に入るかも知れない動物に対して使う薬と言うのは、簡単に言うと「念のため」に人用に比べて極端に薄く作られていたりします。(詳しく知りたい方は以下のリンク参照)
それも時間が経てば当然肝臓で代謝を受け、段々とその濃度はゼロに近付く。
そういった肉をたくさん混ぜ混ぜして、高温で処理した後、色々な混ぜ物をして嗜好性を上げて成形したのが、皆さんの購入できるペットフードなのだ。



と殺を待つ牛や、安楽殺された牛が溜まった場所を見た者は、(こういう場所の写真は世間一般に公開されませんので、見ることは基本無いと思いますが)気分的には愛犬にそういったフードをあげたくなくなったりするかも知れません。
だが安心して欲しい。そういうペットフードをあげたからと言って、愛犬にすぐに悪影響を及ぼす可能性は著しく低い。

だからおおよそ大丈夫。と言うのが僕の結論です。

悪影響はどういうときに出るか

ただし長期的に見ると悪影響は少しくらい出るかも知れない。
これが「おおよそ」大丈夫という歯切れの悪さの理由です。
日常的に与えているペットフードが、ペットフード公正取引協議会のお墨付きの総合栄養食なら、生涯それを与え続けても問題ない。という内容になっているはずですが、当然含まれている栄養素の比率は少しずつ違います。
そのわずかな違いが、長期間の投与によって比較的大きな差となる、と言う事です。
牛の飼養管理を見ていても、同じご飯の長期間連続投与により様々な影響が出るのは間違いない傾向です。
ただ、その差が果たして大きく悪影響を及ぼすかと言うのは別の話。

薬剤使用のリスク

また、薬を使っている以上100%安全とは言えないのも事実です。科学的に見てほぼ100%無害と信じたいですが、現在も毎年毎年各国で禁止薬剤や基準は変わっています。
今は無害だと言われている添加物や薬が、後になって「やっぱ使用禁止で」となることは普通にある。それは歴史が示す一つの事実です。
薬の及ぼす影響について確実に言えることは「完璧には分からない」ということです。
ただ、認可されている薬を疑い始めると、もう何も買えなくなってしまうので、ある程度の信頼は必要です。

だから、おおよそ大丈夫なのです。
牛さん達の肉を有用に安全に使って下さるならばむしろ僕は感謝しています。

とにかく、「これが多く入ってるフードはあげちゃダメ!」「これをあげたらすぐ病気になった」という過激な発信に対しては慎重な判断をお願いしたい。

そんな急性な反応が出るとしたら、アレルギー、基礎疾患など、その個体自体が問題を抱えていることをまず疑った方が良い。すぐ近くの動物病院に相談に行きましょう。

信頼できるフードは?

僕は結局カリカリフードの原材料の肉に関してはブラックボックス状態だと思っています。どんな動物が使われているかどうかはフード自体を見ても分かりません。
ペットフード会社のHPの写真は当然綺麗な部分を写すので、写真の動物が普段どのような管理をされているか等はさっぱり分かりません。
だから我々は信頼と実績のある老舗メーカーを良く買うし、獣医師は勧めるのです。
ブラックボックスの存在を認めた上で信頼するしかないのです。
そして信頼に足るメーカーさんはたくさんあると思います。

こういう現状を踏まえ、僕がどういう対応を取っているか?次以降の記事で書きますね。

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