#9 『風吹けば恋』ｰ チャットモンチー
春の風は強い。
桜が散ってしまうのではないかと思うほど。
ただ冬の突き刺すような風とは違い、
少しだけ暖かくて、生温くて。
あ、春がきたなと感じる風が吹く。

春の匂いに春の風。
感覚でしかないけれど、毎年分かる。
きっとつくしがもう生えているだろう。
きっと桜が少しずつ花開いているだろう。
きっとこの鼻のムズムズは花粉症だろう。
全てが春を感じさせる。

4月が好きだった。
新学期が始まり、新しい出会い。
何かリセットされるような感覚。
今年度はどんな一年になるだろうという
ワクワク感。
小学生の時は新しい教科書に名前を書く
あの瞬間が好きだった。
このピカピカの新しい紙の匂いがする教科書も来年の今頃にはボロボロになっているのかな。
これから自分はどんな新しいことを知っていくのだろう。
これからの1年を想像してワクワクした。

社会人の今、同じような気持ちになる時はあるのだろうか。
働くことが義務であり、嫌なことだと
思わない自分でいたい。
これから起こることにワクワクできる
自分でいたい。その方が私と協働する人たちに同じくらいワクワクを届けられると思うから。

来年度はもっと走り抜ける。
風！風！導いておくれよ。