※本レビューはネタバレを含みます。

　また、個人の感想によるものです。

【評価/10点】

８点

【公式サイト】

【良かった点】

・ゼロから次第にルールを理解できる緻密なレベルデザイン

このゲームは
スタートしてから
ピクミンを引っこ抜いて
投げて増やすことについては
説明があるが
チュートリアルは本当にそれくらい。

でも実際には、
黄色ピクミンは爆弾を持てる
赤ピクミンは攻撃力が高い
間欠泉に乗るとオリマーだけ飛べる
蜜を吸うとピクミンに花が咲く
など最初は説明されない
ルールがたくさんある。

これは一見不親切だが
このゲームはその気づきすらも
ゲームの楽しさに組み込まれている。

ルールを理解してから
ピクミンの部隊分けや
移動経路の計画をして
上手くいった時の快感は
このゲームの醍醐味になっており
最初からすべて説明されたとしたら
この快感は味わうことは
できなかっただろう。

この隠されたルールが順番に
そして続々と増えていくマップ構成は
見事なレベルデザイン
といわざるを得ない。

特に移動経路の緻密な計画が必要になる
水源地帯のパーツをうまく回収できた時には
脱出ゲームをクリアした時のような
快感を得ることができた。

・自然とダンドリさせるように仕向けられるゲームシステム

ピクミンを語る際
ダンドリ力という言葉が使われる。

これは効率よくピクミンに指示を出して
有限な一日を計画的に過ごすための力だが

このゲームのすごさは
やらされている感を感じないまま
次第にダンドリするように
なっていくことだ。

ピクミンが壁やパーツを運ぶ絶妙な遅さや
ピクミンを引っこ抜くときの気持ちよさ
簡単に死んでしまうピクミンのひ弱さが
相まって
「うまくやらないとな」
と感じさせるようになっている。

【イマイチだった点】

・ボリューム不足

クリアまで６～７時間とかなり短いので
さすがにボリューム不足
と言わざるを得ないが
かなり密なゲーム体験が味わえるので
満足感はある。

完全新規IPの一作目と考えると
ボリュームが少ないのは
仕方のないことであるし
この後のシリーズ作でボリュームが
追加されていることと
Switch版の価格が1+2で4980円
ということを含めると十分ともいえる。

・操作性とボタン配置が慣れるまで難しい

他のゲームにはない独特な操作性なので
慣れるまで操作が難しい。

特にピクミンの持ち換えはクリアに必須の
操作だがボタンの組み合わせが必要であり
ゲーム初心者には難しいかもしれない。

ピクミンの集合コマンドも
ボタンを押した長さで集合範囲が
決まるようになっており
使いこなすのに練度が要される。

・ピクミンが思い通りに動かない

意図的に不便になっている部分と
さすがに我慢できない部分がある。

まず意図的と思われる部分だが、
早く歩きすぎると後ろのピクミンが
ついてこなくなったり、
蜜があるとピクミンが
勝手に吸い出したりする点である。

これはピクミンも生きていて
思い通りにはならない生き物としての
表現と思われるので我慢できる。

一方で、障害物の角や段差で
ピクミンが引っかかってしまう点は
我慢ならない部分がある。

特に地面の凹凸に引っかかってしまう部分は
何度やっても多くのピクミンが
引っかかってしまいストレスになった。

【プレイ時間】

6.5時間（全パーツ回収まで）

時限システムと聞いて二周は
覚悟していたが
30日という期限は思ったよりも余裕があり、
初見で全パーツ回収をして
クリアすることができた。

ルール理解とマップ把握を苦にしない方なら
初見で全パーツいけると思う。

【まとめ】

スーパーマリオの生みの親「宮本茂」さんが
手がけた名作シリーズの第一作。

そこそこ色々なゲームを
プレイしてきたつもり
の筆者だが、本作のゲーム体験は
他のどのゲームとも異なる
アソビとビジュアル
を提供してくれた。

ボリューム不足感は否めないものの
短い時間でも記憶に残る
凝縮されたゲーム体験を
味わうことができた。

ビデオゲーム史を語る上で
はずせない一作に入れてもいいぐらいの
ゲームシステムとレベルデザイン
だと感じた。

GCという
現在では遊びにくいハードのゲーム故
これまでは触れることが難しかったが、
現在では1~4までがすべてSwitchで遊べる
ので未プレイの方はぜひ手に取って欲しい。

【備考】

採点基準

10点：人生が変わるレベルのゲーム。買え！
9 点：超良作。買うべき。
8 点：良作。興味があるなら買ってほしい。
7 点：問題もあるが、総合的には面白い。
6 点：平凡で遊べるが、特に勧めはしない。
5 点：良い部分あれど総合的には良くない。
4 点：面白くない。
3 点：プレイするのが苦痛。
2 点：まともにプレイできない。
1 点：1点以下をつけることはおそらくない。

筆者のシリーズプレイ歴

なし

なぜこれまでやってこなかったのか
と後悔するぐらい
好きなタイプのゲームでした。

２～４まですべて絶対やりたいと思います。