こんにちは、あいあいこです。

前回の記事では、妊娠中どれくらい体重が増えていいのかを解説しました。

今回は、具体的にどれくらいカロリーを摂ればいいのかについて解説していこうと思います。

カロリーの必要量ですが、こちらは普段の「身体活動レベル=どれくらい身体を動かすか」によって目安が決まっています。

身体活動レベルに応じたカロリー摂取量に、妊娠中に必要なカロリーを足すことで、妊娠中どれくらいカロリーを摂ればいいのかの目安を知ることが出来ます。

まずは、身体活動レベルによるカロリー必要量を説明していきます。

★身体活動レベルⅠ（低い）の人：生活の大部分が座った状態で、静的な活動が中心（専業主婦・デスクワーク）

18〜29歳以下：1,650kcal

30〜49歳以下：1,750kcal

★身体活動レベルⅡ（ふつう）の人：立った作業、軽い運動などを行う（育児中の主婦・サービス業・製造業・事務でもデスクワーク以外に職場内の移動や作業がある人）

18〜29歳以下：1,950kcal

30〜49歳以下：2,000kcal

★身体活動レベルⅢ（高い）の人：移動や立った状態が多い（農業・看護師・運動習慣のある人）

18〜29歳以下：2,200kcal

30〜49歳以下：2,300kcal

……と、上記のようになります。

ご自身がどの生活レベルに当てはまるか、確認できましたでしょうか？

もし、「ジムのインストラクターをしていたんだけど、妊娠を機に運動は止めて、受付や事務作業に移ったんです」なんて方がいらしたら、非妊時=妊娠していない時の身体活動レベルはⅢ（高い）になりますが、妊娠中の身体活動レベルはⅡ（ふつう）として当てはめれば良いでしょう。

さて、それでは、上記の摂取カロリー目安に、妊娠中、授乳中に必要なカロリーを足していってみましょう。

必要なカロリーは、初期・中期・末期、また授乳期によって異なります。

①妊娠初期（〜15週まで）：+50kcal

②妊娠中期（16〜27週）：+250kcal

③妊娠末期（28週〜）：+450kcal

④授乳期：+350kcal

……と、上記のようになります。

（例）Ｂさん（30歳） スーパーのレジ勤務。妊娠中も産休に入るまではレジの仕事を続けます。

身体活動レベルはⅡ（ふつう）に分類されるので、非妊時の摂取カロリー目安は2,000kcalとなります。

これに、上記のカロリーを時期ごとに足していくので……

妊娠初期：2,050kcal

妊娠中期：2,250kcal

妊娠末期：2,450kcal

授乳期：2,350kcal     ……となります。

さて、カロリーは分かったものの、普段からカロリー計算をしている人は少ないでしょう。

既製品にはカロリーが書いてあるけど、手作りの料理のカロリーを計算するなんて手間がかかりすぎる！現実的じゃない！

ということで、そこで役に立つのが、厚生労働省が作っている「妊産婦のための食事バランスガイド」です。

主食・主菜・副菜・乳製品・果物などを、どれくらい摂ればいいのか、を、イラストで分かりやすく解説してありますので、是非こちらを参考にしてみてください。

また、私が妊婦さんに説明する時には、「定食屋さんのご飯をお手本にしてみてください」とお伝えしています。

定食屋さんのご飯といえば、メインのお料理（主菜）に小鉢（副菜）、ご飯（主食）が出てくるイメージ。そこに、ヨーグルトなどの乳製品、果物をデザートや間食に食べる……みたいな感じです。

そこに、スナック菓子などを大量に食べたりしなければ、大体はこのカロリー目安からは大きく外れないだろうと思われます。

しかし、妊娠初期はつわりがあって食べられないし、妊娠末期は大きくなった子宮で胃が圧迫されて食べられないし、どうすればいいの？という疑問をお持ちの方もいらっしゃるはず。

そこで、次回からは、各妊娠時期における食事の摂り方について、各々詳しく説明していこうと思います。

妊娠初期・つわり時の食事についてはこちら

妊娠中期の食事についてはこちら

妊娠後期の食事についてはこちら

「これってどういうこと？」「もう少しここを詳しく知りたいんだけど……」ということがありましたら、是非コメント欄にお寄せください。

それでは、また次回お会いしましょう！

【出典】

病気がみえる 産科 vol.10（第4版）（株式会社メディックメディア）

妊産婦のための食事バランスガイド（厚生労働省）：https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3b02.pdf

【画像提供】

いらすとや：https://www.irasutoya.com/?m=1