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ゲーデルの知行合一

数理論理学者のゲーデルは不完全性定理を提唱した。それは、いかなる数学的証明も客観的に正しいとは言い切れないことを証明するものだ。

そして晩年は、食事に毒が盛られることを極度に恐れるという強迫観念にとらわれた。

彼は病気だったと言えばそれまでだが、これは一種の知行合一と見なしうる。


多くの人は、今まで毒を盛られた経験が無ければ、これからも盛られる可能性は低いと考えるか、その可能性を考えもしない。

だが、不完全性定理の提唱者は違う。

彼にとっては、厳密な演繹によって導き出された証明すら疑わしいものである。

ならば、過去の事実の観察による経験則など、なおさら信ずるに値しないのだ。


ゲーデルは不完全性定理の提唱者であり、その実践者だったと言えよう。

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