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【短歌一首】 身に染みし鐘の波動に魅入られて抑へ難きは鐘撞きダッシュ 


身に染みし
鐘の波動に
魅入られて
抑へ難きは
鐘撞きダッシュ

2023年1月に京都の金閣寺鐘を撞いた。(有料:一突き200円)
その日はあられ交じりの雨が降るとても寒い日で、体も気持ちもかなり冷え込む中、30分くらい鐘撞きの順番待ちをしていた。

金閣寺

順番が来て、若手の僧侶から鐘撞きの要領について簡単な説明を受けたのち、鐘を撞いた。すると、自分が想像していた以上に鐘の音が深く大きく響き渡り、その波動が五感と全身に染みわたり、不思議と体を心が温かくなっていくのを感じた。そして、そのあともその温かさがずっと続いていた。

そのときの体験を詠んだ短歌。

撞木(しゅもく)振り
体預けて
鐘つけば
大いなる波
血流に入る

どうもその日から鐘撞きの虜になってしまったようで、鐘を見るたびにどうしても撞きたい衝動にかられてしまう。(鐘撞きダッシュは、業務妨害の罪そのほかの罪になるだろうからじっと耐え忍ぶ・・・。) 金閣寺で会得した鐘撞き技術?をこれからも自分のために活かしていきたい。鐘を撞く=心身に力みなぎる。

 ちなみに重要なポイントの一つは、「撞木を大きく振りかぶり、撞木に体をしっかりと預けて体重を乗せて、最後まで撞木を握る手を放さずに確実に鐘に当てること。」。特に、最後に手を離して撞木を投げる感じの方がクリーンヒットするような感じがあるが、さにあらず。手を放してしまうと撞木の戻る力でヒットが弱くなる。(この点、説明をされていた僧侶が強調していた。) 
 あとは、周りに遠慮して動きを小さくしないこと。思い切りやる。(叫びは無用。)

京都・金閣寺の鐘も素晴らしいが、鎌倉にも建長寺、円覚寺をはじめとして、たくさんの素敵な鐘がある。 

まずは、臨済宗・鎌倉五山第一位の建長寺から。

建長寺山門
  建長寺・梵鐘(ぼんしょう)

梵鐘(ぼんしょう)とは、寺院の鐘楼に吊り下げる青銅製の鐘。
建長寺の梵鐘は国宝で、重さは2.7トン。建長7年(1255年)に鋳造さされた。 う~ん、是非とも国宝を撞いてみたい。

建長寺裏山の半僧坊大権現の緑と空に映える
建長寺の鐘は鐘楼も素晴らしい重厚感

続いては、臨済宗・鎌倉五山第二位の円覚寺の鐘。

円覚寺の入り口 
円覚寺の鐘は山の上にある
円覚寺の洪鐘(梵鐘)

円覚寺の鐘も国宝。正安3年(1301年)に鋳造。
鎌倉第一の大鐘とのこと。(確かに、建長寺の鐘よりも大きい。)
建長寺は「梵鐘」と書かれていたが、円覚寺はわざわざ「洪鐘(梵鐘)」と書かれている。「洪鐘(こうしょう)」とは、大きな釣り鐘の意なので、もしかして大きさが別格であることを誇示?

緑と空に映えて美しい 
鐘を撞く撞木(しゅもく)も太く長い

是非、撞いてみたい円覚寺の大鐘
ここは山の上だから、鎌倉時代には円覚寺全体に、そして鎌倉の町、村のすみからすみまで、その音は響き渡ったのだろう。
撞けなくてもよいので、その音を聴いてみたい。特に、夕暮れ時に。

続いて、浄光明寺

浄光明寺

浄光明寺は鎌倉扇が谷(おおぎがやつ)の静かな住宅地にある。静かな、落ち着いたたたずまい。

小ぶりの梵鐘

鐘の鋳造年は不明だが、浄光明寺の創建が建長3年(1251年)なので、この鐘もかなり昔からあったのではないかと推測。

そして、この浄光明寺では、ネットで調べたところ、大晦日に「除夜の鐘つき」が体験できるとのこと。 う~撞いてみたい、でも大晦日にわざわざ鎌倉まで出ていくのもなかなかしんどいかも。ここは思案のしどころ。

鐘を見るたびに、鐘を撞きたくなる。
これからも鐘を愛でつつ、鐘撞ダッシュではなく、有料・無料を問わず鐘を撞ける(真っ当な)機会を探っていきたい。

猫間英介





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