【短歌一首】 猫の目にいかに映るや一命の無常を容れぬ人の世界は
短歌はレジリエンス。
人を失くして人は悲しむ、苦しむ。
猫はどうなんだろう。
もう40年くらい読み続けている、「夕焼けの詩(三丁目の夕日)」や「鎌倉ものがたり」で有名な漫画家・西岸良平さんの作品では、たまに動物たちの死生観らしきものが描写されることがある。
人間が自分や他人の死を受け入れられず、悲しみ、苦しみの中にあるときに、猫や犬たちが無表情でじっと人が泣いたり、亡くなるところを見ている。そして、「動物たちは自分の死も、仲間の死も、ただ受け入れ見つめているだけだ。」と言ったようなことが確か書かれていた。(もちろん、誰にも動物がどんな気持ちでいるかなど分からないのだが。)
小学生のときから18年くらい家に住んでいた猫や、今一緒に住んで16年目になる猫は、どうなんだろう。近所でよく見かける野良猫たちはどうなんだろう。 自分の大事な人の死をなかなか受け入れられず、それを反芻して悲しみ、苦しみ、悔やみ、悩むことの多い私やいろいろな人間を見て、いったいどんなふうに感じているのか。
16年一緒にいる猫はどう感じているかは知らないが、もしいなくなったら、その喪失感は耐え難い。
猫間英介
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