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【短歌一首】 青き葉は窓に迫りて雨粒にしきりと揺れて吾に名を問ふ

青き葉は
窓に迫りて
雨粒に
しきりと揺れて
吾に名を問ふ

たまに仕事で鎌倉方面に来る。
時間が許せば必ずと言っていいほど、北鎌倉の喫茶店「吉野」に立ち寄る。
この日の鎌倉は雨が一日中降っていた。

霧雨の吉野

雨の吉野も素晴らしい。新緑が雨に濡れてなお一層鮮やかに。雨と青葉の匂いも漂う。

座席の横の窓からの緑

この横の大きな窓のそばの席に座ることが多い。正面からの緑と横からの緑が本当に心地よい。

席の正面と左側の窓からの緑

今回は初めて一番手前の席に座ることができたので、正面と左横からの新緑がパノラマのように広がっていた。

正面の窓いっぱいに緑 

窓に迫るように伸びている草や葉は、おりからの雨を受け、雨粒の落下の重みでしきりと弾むように揺れている。まるで窓越しに何かを言っているように見える。私に「おまえ誰?」と言っているのかも。

前回来た時には茎だけだった紫陽花の葉がすくすくと伸びている。

間仕切りのガラス

ソファーのある部屋との間仕切りには、天井まである大きなガラス。このガラスが鏡のように、こちらの部屋と緑を写し取っている。

となりの部屋の窓のランプの向こうにも緑
座席の真後ろの窓からの緑
足元の窓からも緑が迫る

今回は雨に打たれる新緑に囲まれた吉野を堪能。
雨を受けて緑がいっそう鮮やかに見える。
途中から客が自分一人だけとなったので、四方の窓、足元の窓に迫る新緑に取り囲まれているようであった。

次の用事のため20分くらいしか居られなかったが、それでも五感が研ぎ澄まされ、心も体も芯から癒された。紫陽花が咲く頃に、是非また訪れたい。

猫間英介


3月にも吉野の歌を詠んだ。
このときに比べると、窓の外の緑がずいぶんと葉を伸ばし、新緑となった。


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