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【詩】おかえり、エレジー

喪失は風の隠喩となり
ぼくの肌を冷たく冷たく冷たくえぐる
痛みに慣れない現在は過去の堆積の無力さを呪い
赤の魔法が海の深層で踊る
ったく嫌気がさすなあ。
回る ) が この世界の構造の最も単純化された運動の抽象ならば
ぼくはここに留まっている(!)
いやだね
「前に進むことを拒否して(お願い)」
信号機はすでに黄色を刺してしまった
  あーあ
 DAKARA
歩けないよ、、、

地球も回る( )
この宇宙から逃げ出したいぼくは、自分の部屋という小宇宙の内部で様々な些末な些細な無価値な懸案を思考思考思考してはひたすらにその虚無さに絶望することでビッグバン的な精神的癇癪を断続的に起こしちゃうことを想像しては己の矮小さにまたもや絶望してその小宇宙から決して抜け出せない
あーあ。そんな小宇宙の存在の不確定性を相対性理論によってなんとか無理矢理屁理屈にも裏付けできればいいのに。なんてくだらないことを考えちゃうからぼくはやっぱり今日もこの小宇宙で眠ることをしなければ息れないねきっと


突然轟音が鳴る―――
神鳴りにへそを取られまいとしてオヘソを死守する手の中にオヘソを捉える
すでに安堵が一秒前とともにダンスをしている
「ぼくは」もう逃れたい 、、、
「ぼくは」ただ太陽に背を向けているだけ
「 〃 」くぼ
豪雨が降り始めた
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
顔中をベタ塗りしてゆくH2Oがひどく絵画的でその厚みが虚言的
しかし         落ちる 。   。     。 んだ
その曲線はワタシの顔の造形だ(もう裏切らないから安心してね)
それはワタシ
それはワタシ

H2Oはワタシを表象した
だから求めてる
((うそだよH2O))


まだその乞いが愛おしくて
まだ離れられないや

ぼくはこのシを胸に抱いている
地中に埋めたはずの希死念慮がズルズルと芽を出しやがったくそっ

さらば眩しすぎる希望よ
おかえりなさい、哀歌


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