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【連詩】りまた水

この節I kill.a.k.a 夢幻花さんhttps://note.com/i_kill_4989/portal と連詩という形でコラボする事になりました!タイトルは「水たまり」です よろしくお願いします

^_^さんのnote投稿「【連詩】水たまり」より引用


本作は、^_^さんとのコラボ連詩という取り組みにおける一作品となっております。


この度は恐れ入りながらも私の方から^_^さんへと声をお掛けし、《水たまり》をテーマに連詩という形で共作をさせていただくこととなりました。

本作品は、^_^さんによる「【連詩】水たまり」を受けての作品となっておりますので、よろしければ併せて読んでいただけますと、二つの作品をより楽しむことができると思いますし、書き手である私たちにとってはそれがなによりも嬉しいことです。

よろしくお願い致します。


そして、今回コラボしてくださった^_^さんはわたしが尊敬する書き手のひとりです。ほかにも多くの素敵な作品をお書きになっていらっしゃるので、ぜひチェックして頂けると嬉しいです。
以下にリンクを張っておきます。

^_^|note




いつからか全然かけなくなったはずのアラーム音の概念がドップラー効果のようにあたしの意識を犯してきた
    、好きじゃなくても追いかけてl:@ぉ+}  
(ねえ    、     、、、(雨)、、、?

はあ。勝手に開けられた「社会の窓」を闖入してくる尖った青があたしの眼球を何度もゴルッと突き刺してくるもうやだ
締め切ったカーテン越しにはきっと未だ空が生きてる。あたしはきみに憧れてるの。でも嫌い。昨日のまんま死んだ部屋のなかでカフェラテはとっくに冷めていたその奥底に沈殿した深い夜が鬱を抱きかかえたまんま


「ずっと忘れないからずっと忘れないでね。
(きもちわるい)
もうやだ


あたしは夢のなかでしんじゃうのが嫌だどうにかこの冷えた現実のなかでしにたくて「尖った青」も反射させられなかった鈍色のカッターが愛おしいそれを横隔膜に宛てようとして何度も痙攣していた意識のコンプレックスを主観的に診たフロイトは勃起した。でもこの傷だらけの手首を庇うようにして巻き付けた赤い糸を制服の袖口に隠したあたしはきっと世界で一番美しいの。濃い紅が付着した吸い口にしがみついたシガレットの先端の火はあたしの赤い糸を燃やすことに失敗し続けるけど、そのかわりにきみあたし死ぬ前にそれを切って。それまでは死なないからね」ってひとりごと



あの日。大雨の日。家から少し歩いた先にあるだれもいない公園のなかで。少女の本質が夢ならば、死を選ぼうとしていたあたしはまるで少女性を喪った。「あの心療内科」でたまにみかける男の子。きみはあの日のあたしをまるごと飲み込んでいた水たまりを真っ白なスニーカーで汚してきたその一瞬間の波紋はすぐに呼吸を思い出しておさまった。ポケットのなかのカッターは好きだった美術の授業を思い出すことに必死で、自らの身体性を忘却していた。曇った水たまりのなか。そこにはたしかに光り輝く夜空が滑らかに切り取られていた。それはあたしがずっと部屋の窓越しに見てきたものとは全然違ってとってもきれいで。ほんとうに死にたくなるほどにきれいだった。動く水面に赤い糸。それはあたしの手首と繋がってる。きみのせいで赤は膨張し、やがて心臓を隠喩した。それ自体はこの水たまりが渇いてしまえば消えてしまうかもしれない。けれど、それは「あおい昇華」となってすぐに空に届くんだって信じてる。またいつか雨が降ったとしても「あたし」は再び水たまりに還元される。循環する。その繰り返し。だけど。いまはその心臓部にあたしを切れなかったきみがいて、そしてあたしはずっときみに憧れてる。でも嫌いだけど。もう二度と会えないかもしれないけれど。それでも。ひたすらに青くて鈍い空を見るたびに、あたしは雨を思い出す。きみを思い出す。

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