web小説家の既婚率について

1.本アンケートの目的


 web小説家において性別の偏りや既婚未婚の偏りに有意な差があるのかを調査するものである。
 アンケートの結果により、男女差やその構成比を元に理由や原因を考察することを目的とする。

2.アンケートの取り方

 Xのポストにて七生(なお)@nao10seisyatiku氏投稿された疑問に対してリプライを繋げる形でアンケートを実施。該当のポストは5万インプレッションを超えており、web小説家界隈において一定の注目のある話題と言える。

3.アンケート結果

 アンケート内容は下記の通り4択で行った。

 アンケート自体のインプレッション数はアンケート終了時点で1,300程度。投票数は121件となった。全投票数121件の内、男女差で見ると女性の投票数が87票(72%)、男性の投票数が34票(28%)となった。χ二乗検定において約181となり、有意水準を0.05ととった場合でも有意に女性が多いと言える。
 既婚未婚差で見ると未婚64票(53%)、既婚57票(47%)となった。こちらはχ二乗検定において約6となり、有意水準を0.05ととった場合でも有意に未婚が多いと言える。
 本題である女性web小説家の未婚率と男性web小説家の未婚率については、女性web小説家未婚率43%に対して男性web小説家未婚率は79%となった。これによりZ検定においても有意に女性web小説家は男性web小説家より未婚率が低いと言える。

4.考察

 これらの結果により、私は以下のような可能性を提示する。

 ひとつ目は小説を書く時間を確保できる属性の偏りが存在するということ。女性の場合は未婚時よりも既婚時の方が時間に余裕が生まれ、逆に男性だと未婚時より既婚時の方が時間に余裕が無くなる可能性があげられる。女性の既婚者の中でも子供のライフステージ(乳幼児と学童以降の差など)や共働きによる仕事への比重などにより時間的余裕にバラつきが大きくなることは考えられるが、統計的な視点で言えば未婚女性より既婚女性の方が時間的に余裕が生まれやすいとなる。男性は女性と比較して子供のライフステージによるバラつきは少ないものの、未婚時と比べて時間的余裕はどのライフステージと比較しても増加する。
 ひとつ目の可能性が正とするならば、未婚時よりも既婚時の方が時間的に余裕が増える女性web小説家層が多い、つまり時短勤務や手のかかる子供がいない専業主婦が多いことを意味するのではないだろうか。

 ふたつ目はweb小説家をするタイプの女性は結婚できる(モテる)が、web小説家をするようなタイプの男性は結婚できない(モテない)ということ。
 アンケート結果で出た未婚女性は結婚するつもりがないor文字通り未婚(まだ結婚をしていないだけ)の層であり、男性の場合は未婚の多くがまだ結婚をしていない層ではなく結婚をしたくてもできない層である可能性。
 web小説家の平均年齢は年々高齢化してきており、現在ではおおよそ結婚適齢期を超えている。その結果、そもそも年齢で見た時に女性は未婚率が低いだけという可能性がある。逆に男性は結婚適齢期を超えても結婚できていない層が多いという可能性もでる。
 国勢調査における生涯未婚率は男性28.3%、女性17.8%とあるので、それに近似していく形と考えても男性web小説家は未婚率が高い。女性web小説家においては年齢を加味するとほぼ同程度の可能性もある。

 個人的にはふたつ目の可能性を支持する。

 なお、参考までに書籍化経験者のあるweb小説家を対象にしたアンケートは下記。

 前述のアンケートより結果が極端な理由は、サンプル数が少ないことが1番にあげられる。次に男性向け作品より女性向け作品の方が書籍化しやすいこと、印税率を安く買い叩かれても問題がない被扶養者層が女性に多いことなども考えられる。

5.結論

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