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まだ、ちょっとだけ好きなのに。

私には、好きな人がいた。

片思いだった。

好き?って聞くと、ちょっとだけ。

そう彼が答えた。


一緒に夏を過ごした。

時には、映画をみた。
二人で笑い合いながら、お菓子を食べた。

花火をした。
二人だけの空間、花火がキラキラ輝いて見えた。
まさに青春だった。
夜中にアイスを買って、公園で食べた。

友達カップルと一緒に旅行に行った。
二人で過ごした時間はかけがえのないものだった。

私が好きだよ。

彼からの返事は、
いつもちょっとだけ。

その言葉だけだった。


辛いよりも、嬉しかった。
そう思うようにしてた。

好きって言われたかったけど、
言ってくれなかった。

だって、彼は日本にいるから。
私は、遠く離れた違う国。


私たちはどうやら付き合えないらしい。

私じゃダメなの?って聞くと
彼は毎日会える人と付き合いたいと言った。

遠距離は、できない。

だって悲しすぎるから。

そう彼が答えた。


私は、辛かったけど、
そっか。っていうしかなかった。


私が日本を旅立つ日が来た。

彼とのお別れをした。
また半年後ね。
そう言われて、
少しだけ、涙が浮かんで
視線がにじんだ。


それからのこと。

私が日本を離れても、
毎日連絡をとった。

時に電話して、
時にラインで話した。


彼は、心の支えとなった。
新しい環境で、必死にもがいてる
そんな私に勇気と安心感をくれた。


しかし、、、
2週間ほど経った時のこと

突然、彼からのラインが来た。

もし他の子と付き合うって言ったらどーする?

そんな質問が来た。

私は、なんでそんなこと聞くのかなって思って。
不思議に感じた。

寂しく思う。

素直にそう答えた。

そっか。

なんだか、あっけなく返信がきて、

どうしてそんなこと聞くの?
私は問いかけた。


少ししてから返信がきた。

俺、多分もうすぐ告白される。

正直、理解できなかった。

頭が真っ白になった。


どうして?
そう問いかけると彼からのメッセージが来た。

一年前から思いを寄せられてる女の子と
昨日花火に一緒に行ったらしい。


その女の子は彼のことが1年前から好きらしい。


私は、そばにいてあげられない。

彼は、一緒にいられる人を選びたいんだって。


夏の恋って辛いね、

お別れが目の前にあって。

彼は、ガラスのハートの持ち主だから。

自分が傷つかない選択をするってさ。


神様は私が夢見た青春をくれたけど、

最初から、叶わない恋を愛おしく思う日、


私はまだ、忘れられない。

もうすぐ夏が終わる。



ちょっとだけ好きなのにな。










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忘れられない恋物語

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