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“トラウマ”

あなたには“トラウマ”はありますか?

生きていれば大なり小なりなにかしらのトラウマはあるのではないでしょうか

・幼い頃みたアニメのワンシーン

・犬に噛まれた、追いかけまわされた

・目の前で交通事故をみてしまった 

などなど…

今回は日常生活にまで侵食してきてしまう“トラウマ”についてのお話です。

■人生を狂わすほどの強烈なトラウマ

・数年前の台風や東日本大震災など災害による被害
・虐待
・いじめ
・交通事故
・性暴力……。

 こうした事故や事件による被害者の方が負う心の傷はとても根深く、簡単に治るものではありません。

特に発達期(子供の頃)に受けたトラウマは、その後の人生に大きく影響してきます。

 発達期にあるお子さんはもちろん、あなたも子どもの頃にトラウマを負って、癒えないまま大人になっていませんか?そんな人たちは心の傷による生きづらさを抱えています。

■そもそもトラウマとは?


 トラウマとは何らかの体験によって心に傷を負い、心が本来の役割を果たせなくなった状態を「トラウマ」と言い、専門的には「心的外傷」と呼ばれます。
 トラウマは、心身に様々な影響を及ぼし、生きづらさのもとになることがあります。

 日常でトラウマという言葉は、「苦い思い出」といったくらいの軽い意味で使われることが多いですが、徐々に記憶が薄らいでいく“嫌な思い出”と“トラウマ“は全く異なるものです。

 トラウマによって現れた症状が一定の基準を満たすと、PTSD(心的外傷後ストレス障害)や複雑性PTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)と診断されます。
 

 こうした診断が下されるような場合以外にも、トラウマによって心身の変調が生じたり、生きづらさにつながっている場合は対処が必要となります。

 トラウマというものは、過去の体験によって生じます。DV、虐待、養育放棄(ネグレクト)など日常的に繰り返された出来事や、天災や火災などの災害、性的被害、事故や犯罪などの非日常的な恐怖体験が挙げられます。

 

 もちろん大人になってから生じたトラウマも大きな問題ですが、発達期に生じた心の傷はより複雑な影響を及ぼすと言われます。発達期に生じたトラウマの問題点とはどういうものなのでしょうか?

■発達期のトラウマは、広く根深く影響を与える


 子ども時代のトラウマ体験は、その後の人生の生きづらさにつながる恐れがあります。
 子ども時代に生じるトラウマの影響がより深刻なものになるのは、心身ともに発達していく途中にあるため、傷が残りやすいだけでなく、心の健やかな発達を妨げてしまうためです。

 トラウマが生じる事柄が、大人にとってはささいなことでも、子どもにとっては大きな傷となって残ることがあります。また、年齢がより低く発達の早期であるほど、影響は広く深いものになります。

私自身も小学生の頃からのトラウマを抱えています。同級生が私の目の前で食べたものを戻してしまいました。その映像と強烈な臭いが記憶に鮮烈に残っており、今では「嘔吐恐怖症」となってしまいました。
 この文を書いている“今”も手が震えてしまう程未だに根深く残っています。

■子ども時代に生じるトラウマの特徴


・言語の形成過程にあるから、イメージが詳細に残りやすい
→トラウマ的な状況は、細部まで脳に刻み込まれやすい

・自己と世界を関係づける過程にあるから、自責感を持ちやすい
→問題が生じた際に、自らに原因があると思い込みやすい
・世界観の形成過程にあるから、特有の認知が形成されやすい
→子どもにとって家庭内が世界。家庭内で起こったことがその子にとっての世界であるため、世界全体を恐ろしいものとして認識してしまう

■児童虐待体験VR

動画は、話題になったWESTE & Co.による児童虐待体験VRパイロット版。逆境体験を子どもの目線で見ることができます。
※なお、衝撃的な内容が含まれているため、気分が悪くなるなどの場合はすぐに視聴を止めるよう、注意喚起がされています。


■さいごに

 このように、幼少期の心の傷は大人になってからも残り続けたり、なにかのきっかけで長い時を経て出現することもあります。
 また大人の子どもに対する接し方でその人生に大きく影響を与えることがわかります。

みなさんの中にも私のようにトラウマを抱えている方がいるかもしれません。

 トラウマに気付くことで症状が現れたり、強まるのは苦しいことです。
しかしこのことで自分の生きづらさがトラウマの影響によるものだと気が付くきっかけにもなります。

 トラウマの回復には、「治すのは自分」という意識が欠かせませんが、そのためにはなにかのタイミングでトラウマと向き合う必要が出てきます。

その時は身近な人の支えや、専門家の支援を受けながら回復への一歩を踏み出していただければと思います。


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