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【魚沼市須原小学校での総合学習】

かき氷を通して地元を知る授業を行いました。
今年は小雪で水が当たり前にないかもしれないという環境で、魚沼地域の水の良さや大切さ、雪のお陰で成り立っている地域の実態を鑑みながら、その中で地域のより良い物は何かを考え学ぶ地域社会教育の授業をしました。

難しそうな話かもしれないですが、大人も若者も大半の時間は楽しくかき氷を食べることがメインになります。
児童はそれぞれベースになるかき氷シロップを作り、トッピングには地元魚沼産のメープルシロップや小豆、ハックルベリーと組み合わせてかき氷を楽しみました。

この先には、学校の授業から更に地域へ広がった活動へ発展させていきます。

一緒に真冬にかき氷を食べたお母さん、1年前にスキー場でかき氷を一緒に出した英里さん、地域教育に大変理解ある方々のおかげで動き出せたこと、そして協力隊のお二人の尽力があってこそです。
また親の方々から写真を載せる許可をご理解頂けたことを本当に感謝します。
とても贅沢な時間でした。

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上記がfacebookで書いた内容です。


①準備について

今回の授業については、前提として何故できたかという話から申しますと、地域おこし協力隊の方々のネットワークで地域の名士の方に協力をお願いしております。
元校長先生という経歴で民宿を営まれる方で地元の須原小学校の総合学習の大半をコーディネートされている方です。
そもそも、そういう方と出会えたことは私にとっては物凄くラッキーです。どの中山間地域や過疎地域でも地元民以外の人間が簡単に学校で教育活動は出来るわけなく、地域を良くしようと動く方と出会えるかどうかにかかっています。教育も大事で、お金を稼ぐことも大事だと言える方で更に学校と深いつながりのある教育者の方と出会えたのは相当な確率だと思っています。

そんな方に活動についてご理解を頂き、地域教育から産業に繋げ、社会教育へと発展させていくという中長期的なビジョンで進めています。

1つ目は教育を通して地元の人にかき氷を通して地元の魅力を再認識してもらう事。(地域愛、地域理解)
2つ目は同時に商品が売れるように地域の人と共同して物を作り売り出すこと。(地域産業、地域の価値理解)
3つ目は自分の地域に関わる事で地域が変化していくという実体感と成功体験が生まれるような環境を作り、そして自分事として取り組んでもらえれば良いなぁという想いを教育の意図に含めています。(大事なのですが、人に何かさせようとしちゃダメです。)


教育と産業は切っても切り離せないもので、「持続可能な地域教育」を行うためにはお金を稼ぎながら教育も行える環境へと上手く繋げて活動する必要があります。
しかしながら学校はお金の稼ぎ方を教えることは出来ないです。価値を生み出すという事は行政の中で行うのは推奨されていないからです。
なので、学校から地域へバトンを渡すように発展的な活動へシフトする事が望まれます。学校で出来ない事、地域で出来ることの融合を目指す必要があります。


②個人的な所感

正直、今回は教育者としての手腕が授業中に発揮した実感や手応えはあんまりないです。たくさんの地域の大人が関わってくれている環境でほぼ完成していたので。私が体調がイマイチだったのもあるんですが自分の個性とアドレナリンを全開ドーン!と出す必要がなかったなぁと。
この先地域の人同士で自発的自立的に何かを始めるきっかけを作る関係性を生み出す場としての機能を持つものだと考えているので、その邪魔をしないようにしていました。
正直集中力があんまりなかったため児童一人一人にフォーカスして見ていなかったので、改めて写真を見て児童の楽しんでいる姿があったので、あ、間違ってはいなかったなと、何とか振り返られる感じです。
というかマスク姿であんまり表情がガッツリ見えていなかったのが原因かも。

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真剣にシロップを作る姿、他の人のシロップと組み合わせて試食を繰り返して自分なりの正解を導き出そうとする姿が垣間見れたことには一定の進展評価はあります。
たった2時間の本当に小さな入口となる地域教育ではありますが、全力で2か月前から準備をスタートさせました。
一回の授業で人が変わる事なんてほぼないです。学校の講演会や校長先生の話で人生が変わった人の数で考えると良いと思います。これだけ様々な意図を張り巡らし用意しても、児童当人には歯牙にも引っ掛からないことは当たり前のようにあります。なので、関わる質と量を地域でどれだけ生み出せるかが地域教育の作り手側の使命でもあります。そしてお金を稼ぐことも。


この先、須原小学校すぐ近くにあるスキー場のスノーカーニバルにかき氷のふるまいを行いますが、関わってくれる児童がどれだけいるか、次のステップはもう既に始まっています。

次の教育機会をどれだけ繋いでいくか、そのきっかけを最も多く作れるのは身近な大人です。

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③授業内容について(教育者向け)


6種類のシロップがあり1レシピにつき児童二名が担当し、自分にとって美味しくなるように作ってくださいと伝えます。正解がないものを創り出すことを、食を通して楽しんでもらうという事がねらいです。

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「自分のセンスを信じる」という評価指標です。
完成したシロップはその人の味覚という個性を現すシロップになります。この人はこういう味が好きなんだな、という感想も得られますが、
大事なのは他のシロップと組み合わせる事で見える別な可能性というところです。人生にも似ている事があると思います。
酸味の強いシロップの子は、これ一つで完成形になりますが、少し味の薄い子のシロップは他のシロップを引き立たせてくれたり。自分で作った物がどう役に立つのかは他の人との関わりよって生み出されます。
この活動はアート思考をテーマに作っています。社会に必要とされる資質を見つけ出すための「自己理解」と「社会理解」に結び付くよう設計しています。
で、そこから更に地域理解という地域のお母さんたちが用意したトッピングを組み合わせることで自分のシロップと地元産の食材が初めてコラボレーションされます。

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自己×地域×社会の掛け算を五感を通して感じるメタ的な要素を作っています。いずれ人生経験を積んだ時に、そういえばかき氷の経験は今の成功体験のここに繋がっているかも、となるように何か感じ取る機会の一つでしかないですが、バタフライ効果の一つにでもなればと様々な場面で社会的概念や意図や価値観を忍び込ませております。
という感じに難しい話をしても仕方ないので、分かりやすくかき氷を作って食べるというシンプルな活動になっています。

今回、担任の先生が児童にこうした方が良いというアドバイスをしていたので、先生がファジーにやってしまう気持ちも分かりますが、本当に申し訳ないのですが強めに止めました。自分のセンスが答えを導き出すので、先生の意見は正解ではなく一個人の感想にしてくださいと。先生の好きな味を求めるのではなくて、当人が納得いくものを突き詰めることが重要になります。
その子にとっての納得いく正解を導く授業はあまり学校ではないです。成績や授業理解度を測るための評価指標を作れないからです。

こういうところに学校文化、地域文化、社会起業家文化、様々なせめぎ合いがあったりします。
完成したオリジナルシロップはレシピを残してもらいます。


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このシロップが、地域の飲食店やイベントで使われ、形として記憶として残されることでその人ひとりにとってかけがえのない地域社会からの受容を得られる体験になります。ここを生み出せる媒介者、リエゾンオフィサーが増えることを切に願っています。

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