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こたつトリップ(「冬」と「めるへんめーかー」)

冬が近づき寒さが増してきた。こたつを引っ張り出し潜り込めばそこからはでられぬ定め。

世の家庭ではこたつの上にケーキだのみかんだの雑煮だのが並んでいくが、myこたつ上には(近辺にも)本が漫画が積まれていくばかり。いずれは書物にこたつごと潰されお陀仏だ。なんて幸せなこったい。

さて、「こたつにみかん」「クリスマスにケーキ」の様に私には冬になると(特にこたつにこもりながら)必ず読みたくなる漫画家さんがいる。それが「めるへんめーかー」さんである。

(次点で岡田あーみんさん。もしかしたら「こたつにあーみん」かもしれない。冬にこたつであーみんの漫画読んでる時の幸せったらないぜ。わかるかしら。)

冬はやけにファンタジー成分が欲しくなる季節である。寒くて外に出られない(出ない)分頭の中で外へ出たいのかもしれない。そんな時こそ「めるへんめーかー」さんを読んで頂きたい。玩具っぽい名前なので、あえて広告みたいな紹介をしてみる。実際私も初めて名前を見かけたとき玩具かあるいはグループ名かと思ってしまった。違います。少女漫画家である。

「メルヘン」というとふわふわした童話のイメージがやんわりと浮かんでくるが、それを100倍くらい増量し濃縮してつめこんだのが「めるへんめーかー」さんの漫画である。ケーキで例えるなら結婚式用のケーキを一人前として出される様な感覚で、初見では胸ヤケ必須である。

当時(幅を大きくとって70~90年代とさせて頂きたい、私からするとそうなんだもの)のSFやファンタジー系少女漫画で私が今パッと思いつくのは「萩尾望都」さんや「山岸涼子」さん、「佐藤史生」さんの作品群なのである。脳内で比べるとこちらのイメージは「骨太」。例えるなら「SFファンタジー濃厚凝縮家系ラーメン」で、ガツンとくること間違いなしなのだが、忙しない冬の時期、こたつでとろけた脳みそを冷ますことなくさらにとろかしたいと思ってしまうのが私である。とろけた脳みそにさらに甘々のケーキを乗せて、冬の夜空へとトリップ(睡眠)していくのが良いのである。

レトロ感溢れるオシャレなファッション。女の子のドタバタ恋愛。画面には星が飛び回り、幕間には可愛いポエム。ここまでは割と当時の少女漫画の典型かもしれないが、重い靴を履いてないと空へ飛んでいく娘(相手は沈む男)、猫に変えられた王子(これまた猫の書き方がとても可愛い!)、かぼちゃの宇宙船、怖くない竜、輝く麦畑、年増のアリス…。あぁ、脳がとけていく…。クセになる…。

さて、今夜はどんな世界へトリップしていきましょうか。「めるへんめーかー」さんの他にも「坂田靖子」さん「川原泉(教授)」さんが私の中では同系統となっている。是非一読あれ。

それでは良いこたつライフを。

2022/11/08 一井 重点

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