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リワーク日記49 うつで休職中でも転職活動して内定を貰うまでの道のりと感じたもろもろについて(転職活動の振り返り)

転職の手続きは着々と進んでいます。今の勤務先には退職届を受け付けてもらえたので、次は退職面談の日程決めです。

内定先の企業からも今後の流れをやり取りしていますが、今週は唐突に「雇用保険被保険者番号」を連絡してくれと求められて戸惑いました。なにそれ?どこを見たらわかるの?と。

恥を忍んで内定先の人事担当の方に尋ねてみたところ、雇用保険証を見ればわかるとのこと。え…なにそれ?見かねた人事の方に教わって、ハローワークに行ったところ「雇用保険被保険者番号」を無事に教えてもらうことができました。

どうやら今の勤務先が雇用保険証を保管しているようですが、最寄りのハローワークに運転免許証を持参して名前、生年月日、勤務先名を伝えればその場で番号を教えてもらえました(保険証の再発行ではなく)。

もし私と同じことで困っている方は参考にしてみてください。

さて、おそらくこの記事を読んでくださっている方というのは、転職市場で引く手あまたの転職強者ではなく、どちらかといえば、可もなく不可もない普通の人〜訳あり転職弱者のどこかに位置する方々が多いのではないかと思います。冒頭から失礼極まりない話で恐縮ですが、このように勝手な尺度で人間を測定し分類することは私たちにとってはあまり有用な意味はないので、早々に忘れて自らが今やるべきことに集中した方がずっと良いと思ってこの記事を書き始めている次第です。

私自身も決して楽々と転職が決まったわけではありません。なにせうつで休職中の状態で転職活動をしてしまい、しかもそのことをオープンにしていましたので、転職弱者の中でもさらに弱者だったのではないでしょうか。

なにせ現職では大して実績を上げているわけでもなく、この仕事に(というか仕事自体に)向いているタイプでもない上に、メンタル不調を患って1年半も休職しているのですから。

現に、転職エージェントから、職務経歴書に記載する実績には目標達成率を書くようにと言われて書いたのですが、一度も100%に到達したことがないという惨憺たる内容でした。そのエージェントからはそんな内容でもなぜかダメとは言われませんでしたが、面接では当然その点を突っ込まれたことが何度もありまして、その時の気まずさといったら…。しかし、よくその会社は私を面接に呼ぼうと思いましたねぇ。結果よりプロセスに重点を置いて伝えましたが、成果重視の環境ではパフォーマンスが下がり、しかもうつ患者で再び働けるかどうかも未知数では、受からなくても不思議ではないよなぁと内心思ってはいました。

ついでに、うつで休職中という話についても相談したところ転職エージェントからは主治医がOKを出しているのを盾に押し切る路線で良いと言われて突っ走りましたが、やっぱり面接ではこの点をほじくり返されることも多く、改めて世間の目がメンタル疾患や休職に対して冷淡だと感じました。

事故車ではなくても錆や部品の劣化のリスクがあってエンジンを長いことかけていない自動車は嫌ってことでしょうね。専門医の治療も受けてリワークにも通って綺麗にレストアしているんですが、それでも私をジャンク扱いする企業はたくさんありました。

それでも世の中、捨てる神あれば拾う神ありで、内定をもらうことができ今の勤務先からの脱出のカウントダウン中ですので、転職弱者とか強者とか考えるのは無意味だと思っています。転職の目的は何社からも内定をもらうことではないはずです。強者でも1社しか選べません。私は4ヶ月の転職活動中、398社から不採用通知を受け取りましたが、それでも1社見つかればそれで良いのだと思って転職活動をしていました。

そんな私が最も大事にしていたことは、自分の得意/不得意や個性を知り、無理に背伸びをせずに自分に合う企業を探すことです。

自分に合わない仕事をすると、うつの再発リスクを高めることになります。うつ経験者なら分かると思いますが、もう二度とうつの辛い思いはしたくありませんよね?そのためにも、自分が無理に会社に合わせる要素をできるだけ少なく抑えて、なるべく自分に合う要素の多い会社を探すことを重視した方が良いと思ったのです。

私は、長期的なスパンで課題に取り組むことが得意で、色彩やデザインに関わる仕事が自分のモチベーションになり、他の人の意図を読み取るのが上手く、関係者の間に入って協調関係を築くのが得意という特性があります。反対に、スピード勝負の短期案件ではもたつくことが多く、結果重視の仕事や暗算や自己主張や周囲を力強く統率する役割は苦手という弱みがあります。それは良い悪いではなく、そういう自分の特性に合った環境を探すことを心がけていました。

これにはリワークで取り組んでいた、自分のこれまでの社会人生活を振り返る経験や、エゴグラム、自分の価値観を明確化する取り組みや、キャリアで大事にしていること、得意なことの振り返り、キャリアプラン作成などが役立ちました。

繰り返しになりますが、転職の目的は転職市場でモテモテになることではありません。自分の能力・スキル・経験・得意・価値観・性格特性が活きる場所を見つけることです。社会には無数の個性を持った個人がいるので、そのニーズも無数にあります。その無数のニーズを相手にする企業もやっぱり無数にあるわけで、その証拠に全国の企業数は367万社もあります。

ニーズの規模が大きい割に提供できる人が少ないスキルを持つ人が引く手数多の転職強者ですが、ニーズが中小規模で提供できる人も多くはないという辺りのスキル保持者がそれ以外の大多数の人たちだと考えれば、規模の小ささゆえにお互い目立たず企業と応募者が出会うのが難しいだけで、自分の強みを活かせる場はどこかに存在しているはずだという気持ちを失わずに済むのではないでしょうか。もちろん、自分の強みを仕事として他者へ提供するに当たっては、その強みを他者が受け入れやすい形に変形・加工・研磨する必要があり、面接で企業にアピールする際にも相手が聴きやすいような言い方をする必要はあるでしょう。その点は私も転職エージェントにヒントをもらいました。

とにかく、自分の特性や能力をできるだけ明確にすることが重要で、リワークに通う経験は間違いなく自分と向き合う上で非常に有用でした。

言うまでもなく、転職活動はうつなどのメンタル上の問題を抱える人にとって、精神的な負担が大きいです。しかし私はうつで休職中だったからこそ、1人きりでなく多くのプロに支えてもらうことができました。これは孤独な戦いになりがちな転職活動を乗り切る上で非常に有利だったと思っています。

まず、リワークのスタッフの方々に気持ちの面でのサポートを受けることができました。また、主治医にも逐一状況を伝えて相談し、アドバイスを受けたり、カウンセリングを受けられました。特に面接でメンタル不調への偏見に晒されたことを相談した時には、「そんなこと言ってると自分に返ってきますよって言って席を立てば良い」と味方してくれたのは心強かったですし、理解のある会社をゆっくり探せば良いというスタンスを保てるよう支えてもらったことは大きかったと思います。それに加えて転職エージェントも転職の技術的なアドバイスやサポートを提供してくれました。

転職活動は自分の事なので自分でやるしかないのですが、全てを自分1人で抱え込まなくても良いのだということを実体験として知ることができたのは、とても大きな収穫でした。私は1人で物事を抱え込む悪い癖があり、これがメンタル不調に至る要因の一つになっていましたので、再発防止を図る上では非常に意義のある経験でした。

最後に、転職活動においては忍耐力も重要ですが、自分に合った企業が見つかったときには、思い切って前向きに飛び込んでいくことが大切だと実感しました。

実は、私が内定を貰った企業の求人票を最初に見た時、私はその仕事内容が自分の経験・スキルにマッチしていて、しかも現職より自分の好きな要素を含む仕事を増やすことができ、事業内容やポートフォリオは明らかに今の勤務先よりも質が良く安定性も高く、業績もずっと優れていましたので大いに魅力を感じました。同業に近い企業であるが故に、その希少性やその求人の価値はすぐに理解できましたが、残念なことに年収が下がる条件でしたので惜しいと思いつつしばらく応募せずに脇に置いていました。

ですが、日を置いて改めてよくよく求人票を読み直してみると、年収が下がると言ってもわずか数十万円程度でしかなく、しかも、転勤の可能性もゼロにできますし、通勤時間も減らせます。わずかな年収減と引き換えに環境・条件が良化するならとても良い取引だと気が付きました。

そこですぐさま思い切って応募したところ、以前の記事で書いた通りうまい巡り合わせのおかげもあって猛スピードで選考が進み、応募の10日後には内定を受け取っていたというわけです。チャンスを見つけたら、わずかなデメリットよりも大きなメリットに注目して果敢に飛び込んでいく姿勢が、自分の運命を切り拓くのだと思いました。

私は少しでも気になったら応募するスタンスで転職活動を行なったため、423社もの企業に応募しましたが、それでもこのようにほんのわずかな条件悪化を大袈裟に捉えて危うく真のチャンスを逃すところでした。人間はプラス要素よりもマイナス要素を大きく感じてしまう心理傾向があり、そのせいで放っておくと知らぬ間に不合理な決定や可能性を狭める道を選んでしまいがちなのです。これはリスク回避には適した心理傾向ですが、チャンスを掴み取る場面では不利に働きます。つまり、このことは条件悪化についての評価の仕方には特に注意を要することを意味します。必ず良化する条件とのトレードで許容可能な範囲かどうかを冷静に考える必要があります。

そして、チャンスを逃さないためにも、迷ったら思い切って応募することを強くお勧めします。繰り返しになりますが、400社以上に応募した私でさえも内定先の応募チャンスを危うく逃してしまうところだったのですから。一見、魅力が小さいと思われる企業でも、実はそれこそがあなたを求めている企業かもしれないのです。

というわけで、うつで休職中の転職活動においては、自分自身のことをよく知り、自分に合った企業を見つけることが大切ですが、全てを1人で行わなければならないわけではありません。メンタル面のサポートを受けたり、転職エージェントを利用することで、転職活動を成功させることができます。何より、チャンスを掴むためにはアンテナを広く取り、少しでも良いと思った求人には思い切って応募することが本当に大事です。諦めずに、自分自身を磨きながら、自分に合った企業を見つけていきましょう。

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