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マルセル・デュシャン・リターンズ!!/一日一微発見343

ギャラリストの小山登美夫さんが、カッセルのドクメンタに行ったあとにフランクフルトの現代美術館MMKに行ってマルセル・デュシャンの大回顧展に偶然でくわした。

それをFBにあげているのを見てすぐにレスしたら、「絶対見た方がいいですよ」と、すぐに返信がかえってきた。

僕は大学の卒論がデュシャンだった。
今からすれば赤面ものの中途半端なものだったろうが、おぼえているかぎりはオブジェ論を物象化論から、そして「蝶番」 のドアの話をもってきてYESかNOを選択するのではなくYESでもあり同時にNOでもある状態について考察した。

なんかもう1項目あったと思うが、それは「依代」みたいなことを考えていたように思う。つまりふだんはカラッポなのに時として充填されるオブジェのあり方。

カッセルのドクメンタを見てまわったあと、フランクフルトからのフライトの前にMMKに行った。

フランクフルト駅に荷物をあずけてトラムに乗って行った。時間は2時間ぐらいしかない。

飛行場でのトラブル続発の話をいろんな人からきかされているので早めに行かなくてはならない。とはいえデュシャンだ!!

MMKは初めてだった。
三角形の不思議たたずまい。街中にはデュシャンのあの「ハート」のマークが大きなポスターとして貼られている(このポスターは、展覧会の後で勢いで買って、なんと手もちで日本にもって帰った)。

MMKの会場に入ると、大きな吹きぬけの部屋の天井からレディメイドのオブジェたちがつられていた。

ビン乾燥器、帽子かけetc.そして、コートかけが床にうちつけられ、キッチンスツールにさしこまれた自転車の輪っか。

天井から釣られたレディメイドたちは、ゆっくりと回転ををしながら壁面に影をつくっている。そう、デュシャンといえば「高次元からの影」であり「動き」なのだ。

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