切り替え上手
昨日、春が来た。あまりにも突然の訪問に驚いた。
たしかに、少し前から足音は聞こえていたけれど、ついこの前まで雪が残っていたし、もうしばらくかかるかなと思っていた。でも、一夜明けて、外に出れば、やっぱり春。
春分の日によーいどん!で春が始まらないように、季節の移ろいにはもう少しグラデーションがあるものだよなと、やや戸惑いながらも、日本だったら桜のつぼみが綻ぶような麗らかな気候をひとり喜んだ。
それにしても、人々の切り替えが早い。駅前広場のアイスクリームの屋台が商売を始め、レストランのテラス席では昼からビールを楽しむ人の姿があり、もう誰もニット帽を被っていない。こちらは、追いつけなくてダウンを着ている。フィンランド人の友達は「昨日は暑すぎたね!」って言ってた。全然、暑くはない。
今日(4月30日)まちが浮き足立っているのには、ただ春が来たというだけではなく、理由があって、それはVappu eveだから。Vappuは英語でMay day。ヨーロッパでは労働者の祝日、そして春の訪れを祝うお祭りとして定着している大規模な祭典だそう。festivalは前夜から始まるということで、すでにまちがそわそわしているというわけだ。
ここの人が季節の移ろいをどう捉えているのかわからないけれど、春の陽気は長く暗い冬を乗り越えたご褒美みたいなものなのだろうか。
厳しい条件での職探しと家探しの日々は甘くない。ただでさえ気持ちの切り替えが苦手で、なかなか明るい気持ちになれない。でも、切り替え上手なここの空気に乗っかって、明日ばかりはお祭り気分でいたいと思う。
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