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~第128回~「稲の話」

氷川神社では10月9日に「抜穂神事」を取り行います。

これは当社における古の新嘗祭です。

当日は、五穀豊穣を感謝し稲穂と団子をお供えいたします。

神様に収穫を感謝する神事ですので、お供えするのは今年中に県内で植えられた稲穂を刈取ったものです。 「抜穂」という言葉は稲の穂を抜き取る行為、また、その稲穂のことを意味します。

現在では「稲刈り」の言葉通り、稲穂を刈り取って収穫しますが、古代は稲穂を抜いていたことから「抜穂」という名称になっているようです。

春に田の神に農耕の実りを祈り、そして秋に収穫を感謝する―――古来、私たちは祈りと感謝を忘れずに過ごしてまいりました。

そしてこの米の誕生を今に伝える神話には、氷川神社の主祭神・スサノオノミコトが深く関わっておられます。


ある時、スサノオノミコトがオオゲツヒメという女神に食物を所望した時、ヒメは自分の鼻と口と尻から、様々な美味なものを取り出し、それを調理し盛りつけました。

その様子を見ていたスサノオノミコトは、汚い方法で料理を出す女神を失礼だと思い、その女神を殺してしまいます。

その殺された女神の頭から蚕が、目から稲が、耳から粟(あわ)が、鼻から小豆が、陰部から麦が、尻から大豆が生じました。

これが地上界に穀物がもたらされた起源であると考えられております。 スサノオノミコトご自身の体からは、私たちの生活を支える様々な樹木も生まれておりますが、スサノオノミコトが結果として私たちに五穀も、もたらして下さったのです。

実りの秋だからこそ、自然の恵みに感謝して過ごしたいですね。


〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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