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移住のあれこれVol.7「移住とランキング」

何かを検索すると、何かと出てくるランキング。
検索の上位にでてくると、ついつい見てしまいませんか?

 買おうと思っていた商品も、ランキングを見たら下の方にランキングされていて、上位にランキングされているものを買ってしまったりと、自分の考えを変えてしまうのが情報の怖いところだと思います。
 モノやサービスに対してのレビューも同様で、どうでもよい理由で★1~★2の評価を付ける人がいて評価が相対的に下がっている場合もあります。本質を見ずに表面上の★の数、ランキングで判断してしまうのは自分にあったものを見逃してしまう可能性もあると思います。


 では移住に係わるランキングはどうでしょうか?

 移住を考えている人は移住先を探して検索しているうちに、何かしらのランキングを目にしていると思います。住みたい町ランキングだったり、本当に住みやすい街ランキング、移住したい都道府県ランキング、住みたい田舎ランキングなど色々な事がランキングされています。

 ただ漠然と移住したいと考えている時に、ランキングをみると選択肢の中にするっと入ってきてしまいます。「なるほど!人気があるという事は、移住者が多い場所で暮らしやすい土地なんだな」と考えてしまうかもしれません。
 ですが、なにかしらの思惑であったり、少ないデータから割り出した誇張しているランキング。移住者に人気と紹介されるが、実際は移住してみたいと思う場所のランキングであったりして、実際の移住定住が多いかは別物だと思っています。

 埼玉県川口市に住んでいる時に、本当に住みやすい街ランキング1位と書いてあるものが町の街灯の下などに張られ始め、その時に確かに住みやすいからなぁと感じつつ「本当に住みやすい街大賞」の事を知りました。2年連続で受賞したみたいですが、それ以降はランクが下がっていきランク外となりました。こんな数年で住みにくくなるわけもないので、開発状況に左右されるような印象を受けます。たとえば駅前の開発でマンションなどの大型分譲がはじ(略 

 前回の記事では移住希望地ランキングを参照させていただきました。
実際に移住を考えている方が移住相談に訪れた数値をもとにだしてあるので、信憑性が高いと思ったためです。
 良かったら、ついでにみてみてください。

 ですのでランキングを見る際は、何をもとにランクを付けているのを確認しないと勘違いしてしまうかもしれません。住みたい田舎ランキングを見て移住者に人気と書いてある記事もみますが、全自治体を対象にしているわけでもないですしランキングの調査方法をみれば本質がわかると思います。
 きっかけや選択肢が増える事は良い事ですが、情報の取り扱いには気を付けた方が良いかもしれません。


人口増減率ランキング

 一番、移住先として考えている場所の事がわかりやすいのが人口増減率ランキングだと思っています。全国の自治体に登録されている台帳からわりだしているので、人の流れがわかりやすいです。
例として2023年の5万人以下の自治体のランキングを書いてみます。

項目の説明をしていきます。
社会増減数
別な地域から引っ越してきた人の総数から、別の土地へ引っ越した人の総数を引いた数になります。

自然増減数
産まれた人数の総数から、亡くなった人の総数を引いた数になります。

増減数
社会増減数から自然増減数を足した数になります。この増減数は単純に人が増えているか減っているかの指標になります。

増減率
去年の人口と増減数の割合になります。一位の占冠村を例にあげると、
1394(現人口数)-165(増減数)=1229(去年の人口数)
165(増減数)÷1229(去年の人口数)×100=13.43%(増減率)

 増減率の割合ランキングなので人口が少ない地域で人が増えると上位に上がりやすいかもしれません。10位までだしてみましたが、人の動きがあるという事は地域がなにかしら活発であるものです。
 例えば1位~3位の自治体は外国人の比率が多く人気がある所です。コロナが明けて再び戻ってきた外国人で人口が増加しています。
 なので移住したい地域があったら増減率を調べてみるのもおもしろいかもしれません。自治体のホームページで調べることができますし、市民アンケートなども公開されているので併せて見ると土地の事がわかりやすいと思います。


後書き

 ランキングで思った事を書いてみましたが、情報を集める事は移住するにあたって大事な事です。ですが、必ずしも必要ではないと思っています。結局は自分の移住する目的が一番重要で、それが実現できる土地に実際赴いた時、そこで感じたものが自分の感覚が合っていれば良いと思います。
 移住に失敗しないように情報集めを頑張りすぎると、自分が移住しようと考えた目的が薄れ、いつのまにか移住しやすい場所だけを探しはじめてしまうかもしれません。情報はあくまで下地なので、目的を見失わない様気を付けてくださいね。

おまけ

 書き手が移住してきた糸魚川市の数値もだしてみました。
順位は正確ではないですが、全国1896団体中1380位です。普段ランキングというものは上位のものしか見る機会が少ないと思いますが大体の自治体が同じ様に増減率はマイナス傾向です。仕事や刺激がある所にどうしても人が集まってしまい、少子高齢化も合わさって人が少なくなっていきます。
 どの地域も移住者を求めているとは思いますが、地域の事を真剣に考えて力をいれている自治体の見極めも必要かなと感じます。